LastUpDate 2023/10/04

電力と熱量2 解説

水の量が同じなら温度上昇は発熱量(J)に比例する
また、時間が同じなら発熱量は電力に比例する
発熱量(J) = 電力(W)×時間(秒)
電力(W) = 電圧(V)×電流(A)
電圧(V) = 抵抗(Ω)×電流(A)
次の問に答えよ。(電熱線から発生する熱はすべて水の温度上昇に使われるものとする) 3Ωの電熱線を水の入ったビーカーの中にいれ6Vの電源につないで50秒間電流を流したら水温が4℃上昇した。電源を12Vに変えて、同じ電熱線を使い同量の水で同じ時間だけ電流を流した。水温は何度上昇するか。 3Ω、6Vより電流は、6V÷3Ω=2A、電力は6V×2A=12W
電圧を12Vに変えると 12V÷3Ω=4A、電力は12V×4A=48W
水の量、秒数が同じなので、温度上昇は電力に比例する。
12Wで4℃、48Wでx℃とすると12:48 = 4:x
12x =192
x=16
4Ωの電熱線を使い、8Vの電源で120gの水に250秒間電流を流したら、水の温度が8℃上昇した。次に抵抗のわからない電熱線を使い、10Vの電源で120gの水に250秒間電流を流したら、水の温度が10℃上昇した。この電熱線の抵抗値を求めよ。
4Ω、8Vより電流は8V÷4Ω=2A、電力は8V×2A=16W このときの温度上昇が8℃
水の量、秒数が同じなので温度上昇は電力に比例する。
10℃上昇したときの電力をPWとすると
16:P = 8:10
8P =160
P=20W
このときの電圧は10Vなので、電流は 20W÷10V =2A
抵抗は 10V÷2A =5Ω
電熱線AとBがある。 図1のように電熱線Aをつなぎ、電圧と電流の関係をグラフ1に表した。図2で電熱線AとBを30Vの電源につなぎ A,Bともに250gの水に入れて時間と温度変化の関係を表したのがグラフ2である。 発生した熱はすべて水の温度上昇に使われるものとして下の問に答えよ。

電熱線Aの抵抗を求めよ。
グラフ1を読み取る。6Vのときに500mA(0.5A)なので
抵抗は 6V÷0.5A=12Ω
図2での電熱線Aの消費電力を求めよ。
図2は並列回路なのでAにかかる電圧は電源電圧に等しい
(1)より抵抗が12Ωで、電源電圧30Vより、電流は30V÷12Ω = 2.5A
電力は2.5A×30V=75W
電熱線Bの電気抵抗を求めよ。
グラフ2を読み取ると、電熱線Aは5分間で20℃上昇している。
(2)よりこのときの電力は75Wである。
電熱線Bは5分で30℃上昇しており、水の量が同じなら温度上昇は電力に比例するので
電熱線Bの消費電力をPWとすると
75:P = 20:30
2P = 225
P =112.5W
電圧30Vで112.5Wなので電流は、112.5W÷30V = 3.75A
抵抗は 30V÷3.75A = 8Ω
図2の回路で電源電圧を2倍にしたら電熱線Aのビーカーは5分間で何度上昇するか。
電源電圧は2倍の60V、電熱線Aは12Ωなので電流は 60V÷12Ω=5A
電力は60V×5A =300W
75Wのとき5分間で20℃上昇したので、300Wでx℃上昇したとすると
75:300 = 20:x
75x =6000
x = 80℃
図3のように電熱線AとBを直列にして30Vの電源につなぎ他の条件を変えずに5分間電流を流すとそれぞれのビーカーの水は何℃上昇するか。
A12Ω、 B8Ω、直列回路では各抵抗の和が全体抵抗なので、全体抵抗は20Ω
電源電圧が30Vなので、電流は30V÷20Ω=1.5A
Aは12Ω、1.5Aより電圧が、12Ω×1.5A =18V、電力は 18V×1.5A=27W
Bは8Ω、1.5Aより電圧が、 8Ω×1.5A =12V、電力は 12V×1.5A =18W
図2の回路のときに75W、5分間で20℃上昇していたことを利用して
Aの温度上昇をx℃とすると 75:27 = 20:x
75x =540
x =7.2℃
Bの温度上昇をy℃とすると
75:18 = 20:y
75y =360
y=4.8℃
容器1と容器2には同量の水が入っている。 電熱線Aを容器1にいれ、電熱線Bを容器2にいれて図1のように電源電圧につないだ。このとき電流計は2Aを示し、電圧計は12Vを示していた。また、容器1と2それぞれの水温を測定したグラフが図2である。ただし、電熱線で発生した熱はすべて水の温度上昇に使われるとする。 電熱線Aと電熱線Bのそれぞれの抵抗を求めよ。
直列回路なので、電熱線A,Bともに2Aの電流が流れる。
図から、電圧計は電熱線Aにかかる電圧を示しているので
電熱線Aの抵抗は 12V÷2A =6Ω
図2のグラフを読み取ると、5分間でAは15℃上昇、Bは10℃上昇している。
Aの消費電力は 12V×2A =24W
Bの消費電力をPWとすると 24:P = 15:10
15P =240
P= 16W
電流が2Aで、16Wなので電圧は 16W÷2A =8V
抵抗は 8V÷2A=4Ω
次に電源電圧を調節し、電流計が4Aを示すようにした。容器1の水温は1分間で何度上昇するか。
Aは抵抗が6Ωなので4Aの電流が流れるときの電圧は 6Ω×4A =24V
電力は 24V×4A = 96W
24Wのとき5分で15℃上昇だったので、1分では15÷5=3℃
96Wでの温度上昇をx℃とすると
24:96 = 3:x
24x = 288
x=12℃
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