LastUpDate 2023/09/15

中和3

硫酸と水酸化バリウム水溶液の反応について調べるため、次の〔実験1〕と〔実験2〕を行った。これについて下の問いに答えよ。 5個のビーカーA,B,C,D,Eを用意し、それぞれのビーカーに同じ濃さの硫酸を20.0cm3ずつ入れた。 ①のそれぞれのビーカーに、同じ濃さの水酸化バリウム水溶液10.0cm3, 20.0cm3, 30.0cm3, 40.0cm3, 50.0cm3を、ガラス棒でかき混ぜながら少しずつ加えた。 ②のそれぞれのビーカー内の溶液をろ過した後、ろ紙に残った物質を乾燥させて、質量を測定した。 表は、〔実験1〕の③の結果をまとめたものであり、図は、加えた水酸化バリウム水溶液の体積とろ紙に残った物質の質量の関係をグラフに表したものである。

ビーカーABCDE硫酸の体積(cm3)20.020.020.020.020.0水酸化バリウム水溶液の体積(cm3)10.020.030.040.050.0ろ紙に残った物質の質量(g) 0.20.40.60.60.6
0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ろ紙に残った物質の質量(g) Ba(OH)2水溶液の体積(cm3)
5個のビーカーF,G,H,I,Jを用意し、それぞれに【実験1】のものと同じ濃さの硫酸を20.0cm3ずつ入れた。 【実験1】のものと同じ濃さの水酸化バリウム水溶液150cm3を別のビーカーにとり、水を加えて200cm3にした。 ①のそれぞれのビーカーに、②の水酸化バリウム水溶液10.0cm3, 20.0cm3, 30.0cm3, 40.0cm3, 50.0cm3を、ガラス棒でかき混ぜながら少しずつ加えた。 ③のそれぞれのビーカー内の溶液をろ過した後、ろ紙に残った物質を乾燥させて、質量を測定した。 【実験1】や【実験2】でろ紙に残った物質の化学式を答えよ。 【実験1】の②でビーカーDに含まれているイオンのうち最も数の多いものをイオン式で答えよ。 【実験1】のものと同じ濃度の硫酸と水酸化バリウム水溶液をつかい、硫酸30.0cm3と水酸化バリウム水溶液40.0cm3を反応させると水溶液は何性になるか。 【実験2】の③でそれぞれのビーカーにBTB溶液を加えたら何色になるか答えよ。
F G HI J
【実験2】の④で水酸化バリウム水溶液20.0cm3を加えたビーカーGの、ろ紙に残った物質の質量は何gになるか。


BaSO4 OH 酸性 F黄色 G黄色 H黄色 I緑色 J青色 0.3g

(1) 硫酸と水酸化バリウムが反応すると、硫酸バリウムと水ができる。
H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+2H2O
このとき出来る塩の硫酸バリウムは水に溶けないのでろ過するとろ紙に残る。
(2) 実験1のグラフから、水酸化バリウム水溶液30cm3のCのビーカーで過不足なく反応し、中性になることが読み取れる。
中性なので硫酸と水酸化バリウムのそれぞれに含まれるイオンが同数になり、SO42-とBa2+が硫酸バリウムとして沈殿し、H+とOH-は水になって、水溶液中のイオンはほぼ0になる。
D,Eでは水酸化バリウムが多いので水溶液中にはBa2+とOH-があるが、電離式Ba(OH)2 → Ba2+ + 2OH-でわかるとおりOH-がBa2+の倍の数あるので、DやEのビーカー中に最も多いイオンはOH-である。
(3) 硫酸20cm3と水酸化バリウム水溶液30cm3で過不足なく反応するので、この比を使い硫酸30cm3と過不足なく反応する水酸化バリウム水溶液の体積を出す。
20:30=30:x
20x=900
x=45
すると硫酸30cm3と水酸化バリウム水溶液40cm3をまぜると、水酸化バリウム水溶液はすべて反応に使われるが硫酸はあまる。よって水溶液は酸性になる。
(4) 実験1の水酸化バリウム水溶液150cm3に水を混ぜて200cm3にしたので、150:200=3:4
この比が同数のイオンを含む実験1と2の水酸化バリウム水溶液の体積比となる。
実験1で硫酸20cm3に対して過不足なく反応した水酸化バリウム水溶液は30cm3であった。これと同数のイオンを含む実験2の水酸化バリウム水溶液をxとすると
3:4=30:x
x=40
実験2の水酸化バリウム水溶液は40cm3のときに硫酸20cm3と過不足なく反応し中性になる。
よってIのビーカーで中性の緑色、それより水酸化バリウム水溶液の少ないF,G,Hでアルカリ性の青色、Jは酸性の黄色である。
(5) 実験1より、硫酸20cm3がすべて反応したときに生じる沈殿は0.6gであった。 実験2では硫酸20cm3と水酸化バリウム水溶液40cm3が過不足なく反応する。
水酸化バリウム水溶液20cm3では硫酸が半分の10cm3反応するので生じる沈殿は0.3gとなる。

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