LastUpDate 2023/09/08

雲のでき方

気象観測 雲のでき方 前線 日本の天気

大気中の水蒸気

空気中の水

液体の水が状態変化して気体のなったものが水蒸気である。水は沸騰しなくとも、常温で蒸発して水蒸気になり、 空気中に含まれている。水蒸気は目に見えないが、我々のまわりの空気には水蒸気が存在する。
水を加熱したときに目に見える湯気は、小さな水滴(液体)で 雲や霧もこれと同じく小さな水滴が空気中に浮かんだものである。

飽和水蒸気量

水は蒸発すると気体の水蒸気となって空気の中に入っていくが、一定の体積の空気中に含むことのできる水蒸気の量には限界がある。
空気1m3に含むことのできる最大の水蒸気の量を飽和水蒸気量という。
飽和水蒸気量は気温が下がるほど小さくなる。

20 30 10 0 10 20 g/m3

露点

飽和水蒸気量は気温が下がるほど小さくなるので、水蒸気を含んだ空気の気温が下がると、水蒸気量が限界を超えてしまう。
限界を超えると空気中に水蒸気としてとどまれずに、水滴となって出てくる。この現象を凝結といい、 水滴のできはじめる温度を露点という。

水滴 水滴 露点 空気中の水蒸気量 現在の空気に含まれる水蒸気量は
露点の飽和水蒸気量と同じ量である。

夏の暑い日、冷たい飲み物のコップに水滴がつくのは?
コップの周りの空気が冷やされて露点より低い温度になり限界を超えた水蒸気が水滴となるから。
冬の寒い日に、部屋が暖かいと窓の内側に水滴がつくのも同様の現象である。

湿度を求める

湿度とは

空気中の水蒸気量が、飽和水蒸気量に対してどれだけの割合かを%で表したものを湿度といい、空気がどれくらい湿っているかを示す。
湿度(%)= 空気(1m3)中の水蒸気量(g) 飽和水蒸気量(g) ×100

湿度計算問題

【例題1】
空気1m3中に含まれる水蒸気量が3.2gで飽和水蒸気量が12.8gのときの湿度を求めよ。 気温26℃で、空気1m3中に含まれる水蒸気量が5.6gのときの湿度を求めよ。
湿度(%)= 空気(1m3)中の水蒸気量(g) 飽和水蒸気量(g) ×100 にあてはめると3.212.8×100=25
【答】25%

気温がわかっている場合は、気温と飽和水蒸気量の表(下記)から飽和水蒸気量をもとめる。
気温26℃の飽和水蒸気量は表より24.4g
よって湿度は5.624.4×100=22.95…≒23
【答】23%
表 気温と飽和水蒸気量
温度(℃)飽和水蒸気量(g)04.825.646.467.388.3109.41210.71412.1 温度(℃)飽和水蒸気量(g)1613.61815.42017.32219.42421.82624.42827.23030.4 【練習】割り切れないときは小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。 (1)気温22℃の空気1m3の中に6.4gの水蒸気が含まれている。
露点は何℃か。4℃ 湿度は何%か。33%
(2)気温30℃、露点10℃の空気の湿度を求めよ。31%


【例題2】
気温26℃、湿度75%の空気1m3中には水蒸気が何g含まれているか。 気温28℃、湿度50%の空気の露点は何℃か。
公式を変形すると 空気(1m3)中の水蒸気量 = 飽和水蒸気量×湿度100である。
気温26℃の飽和水蒸気量は表より24.4gなので24.4×75100=18.3
【答】18.3g

気温28℃の飽和水蒸気量は表より27.2gなので、空気1m3中の水蒸気量は27.2×50100=13.6g
表を見ると、13.6gは16℃の飽和水蒸気量である。
現在の空気1m3に含まれる水蒸気量は露点の飽和水蒸気量と同じ なので、露点は16℃となる。
【答】16℃
【練習】質量(g)は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で答えよ。 (1)気温20℃で湿度37%の空気がある。
1m3中の水蒸気量は何gか。6.4g 露点は何℃か。4℃
(2)気温16℃、湿度61%の空気の露点を求めよ。8℃


【例題3】
気温30℃、湿度75%の空気を14℃まで冷やすと、1m3中、何gの水滴が生じるか。 気温22℃の空気を2℃まで冷やすと、1m3中、4.1gの水滴が生じた。冷やす前の空気の湿度を求めよ。
30℃の飽和水蒸気量は30.4gなので現在空気1m3中30.4×75100=22.8g の水蒸気が含まれている。
14℃の飽和水蒸気量は12.1gなので、現在の空気にはそれ以上の水蒸気が含まれていることになる。 飽和水蒸気量を超えた分の水蒸気は凝結し水滴が生じるので 22.8-12.1=10.7
【答】10.7g

2℃の飽和水蒸気量は5.6gである。4.1gの水滴が生じているので5.6+4.1=9.7gの水蒸気がもとの空気に含まれていたことがわかる。
22℃の飽和水蒸気量は19.4gなので9.719.4×100=50
【答】50%
【練習】質量(g)は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で答えよ。湿度(%)は小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。 (1)気温14℃、湿度60%の空気について
1m3中の水蒸気量を求めよ。7.3g この空気を1℃まで冷やすと1m3について何gの水滴が生じるか。2.1g
(2)気温18℃の空気を6℃まで冷やすと1m3につき1.8gの水滴が生じた。もとの空気の湿度を求めよ。59%

要点の確認

答表示空気中に含まれる水蒸気は目に見えない 水を加熱したときに白く見える湯気は液体の水で、雲や霧も同じである。 飽和水蒸気量とは空気1m3に含むことのできる最大の水蒸気の量である。 飽和水蒸気量は気温が低くなると小さくなる。 空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わる温度を露点という。 湿度とは空気の湿りけのことで、空気中の水蒸気量が飽和水蒸気量に対してどのくらいの割合かを%で示す。 現在の1m3の空気中に含まれる水蒸気量は露点の飽和水蒸気量と等しい。 気温が同じなら空気中に含まれる水蒸気量が多いほど湿度はくなる。 空気中に含まれる水蒸気量が同じなら、気温が高いほうが湿度はくなる。

雲や霧のでき方

霧は地表付近の空気中に浮かんだ非常に小さい水滴。雲は上空の水滴や氷の粒である。

空気中に水滴ができる理由

水蒸気を含んだ空気の温度が下がり、
露点より低くなると、
飽和水蒸気量を超えた水蒸気が水滴となる。
20 30 10 0 10 20 g/m3 水滴水滴露点空気中の水蒸気量温度1m3に含まれる水蒸気の質量
雲や霧はこのように空気の温度が下がって、水蒸気が小さな水滴となったものである。

霧のでき方

風のない晴れた夜などに放射冷却で地面の温度が下がり、それによって地表付近の空気の温度が下がる。このとき空気に水蒸気が多く含まれていると、水蒸気が水滴となって霧が発生する。
霧は内陸の盆地などで発生しやすい。

放射冷却とは

昼間、太陽光によって熱せられた地面は夜間宇宙空間へ熱を放射する。そのため、よく晴れた日は地表の温度が下がりそれとともに気温も下がる。ところが上空に雲があると雲によって熱の放射が妨げられて気温があまり下がらない。

雲のでき方

空気が上昇すると上空は気圧が低いので空気が膨張する。空気は膨張すると温度が下がる。やがて露点より低くなると水滴ができ、さらに下がると氷の粒ができる。このような水滴や氷の粒は非常に小さいのでほとんどせず上空に浮いている。これが雲である。

空気が上昇する理由

空気は暖かいほうが密度が低いので軽い。
そのため、夏の強い日差しに暖められたりして温度があがると上昇する。
また、暖かい空気と冷たい空気がぶつかると暖かい空気のほうが押し上げられる。
その他に、風が山などにぶつかって上昇する。

上昇気流

空気の上昇する動きを上昇気流という。
上昇気流があるところは雲ができて天気が悪い

下降気流

空気の下降する動きを下降気流という。
下降気流があるところは一般に天気が良い。

降水

雪や雨など上空から落ちてくる液体や固体の水を降水という。
雲を形成している水滴や氷の粒は非常に小さいので落下してこない。ところが、これらが互いにぶつかって大きな粒になると重くなって落ちてくる。 これが雨や雪である。

水の循環

地表の7割は海で、そこに大量の水が存在する。さらに陸地にも湖や川、地下水などに水が存在する。
地表の水は太陽の光に暖められて海面や地面から蒸発して大気中の水蒸気となる。大気中の水蒸気は冷やされて水滴や氷の粒となって雲になる。雲の一部は雨や雪などの降水となって地表にもどる。陸地の水は河川や地下水、氷河などになって海や湖に流れていく。
このように地球上水は状態変化しながら海、陸、大気の間を循環している。この循環をもたらすのは太陽のエネルギーである。

要点の確認

答表示 地表付近の空気中に浮かんだ非常に小さい水滴がである。 上空に浮かんだ水滴や氷の粒がである。 水蒸気を含んだ空気の温度が下がり、露点より低くなると、 飽和水蒸気量を超えた水蒸気が水滴となる。 昼間、太陽光によって熱せられた地面が、夜間宇宙空間へ熱を放射することを放射冷却という。 曇りの日と晴れた日では晴れた日のほうが放射冷却によって温度が下がりやすい。 放射冷却で地面の温度が下がり、それによって地表付近の空気の温度が下がる。このとき空気に水蒸気が多く含まれていると、水蒸気が水滴となってが発生する。 霧は内陸の地などで発生しやすい。 空気が上昇すると上空は気圧が低いので空気が膨張する。 空気は膨張すると温度ががる。 空気が上昇し、膨張して気温が下がり、露点より低くなると水滴ができ、さらに下がると氷の粒ができる。このような水滴や氷の粒は非常に小さいのでほとんどせず上空に浮いている。これがである。 空気は暖かいほうが密度が低いので軽い。 夏の強い日差しに暖められたりして温度があがると上昇する。 暖かい空気と冷たい空気がぶつかると暖かい空気のほうが押し上げられる。 風がなどにぶつかって空気が上昇する。 空気の上昇する動きを上昇気流という。 上昇気流があるところは雲ができて天気が悪い 空気の下降する動きを下降気流という。 下降気流があるところは一般に天気がい。 雪や雨など上空から落ちてくる液体や固体の水を降水という。 雲を形成している水滴や氷の粒は非常に小さいので落下してこないが、これらが互いにぶつかって大きな粒になると重くなって落ちてくる。 これが雨や雪である。 地球上の水は状態変化しながら海、陸、大気の間を循環している。これを水の循環という。 水の循環をもたらすのは太陽のエネルギーである。

「雲のでき方」重要用語

下降気流気温凝結気流空気が上昇する理由空気中の水降水湿度上昇気流水蒸気放射冷却飽和水蒸気量水の循環露点


気象観測 雲のでき方 前線 日本の天気

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