身のまわりの物質
金属
物質は金属と非金属に分けることができる。
鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどを金属という。
金属には以下の共通の性質がある
金属光沢(みがくと光る)
電気をよく通す
熱を伝えやすい
たたいてのばしたり広げたりできる
(注)「磁石につく」は金属共通の性質ではない(鉄など一部の金属だけ)
プラスチック
石油などから人工的に合成された物質、有機物である。
プラスチックには軽い、加工しやすい、電気を通さない、さびない、くさらないなどの特徴がある。
PET(ポリエチレンテレフタラート)、 PE(ポリエチレン)、 PS(ポリスチレン)、 PVC(ポリ塩化ビニル)、 PP(ポリプロピレン)などの種類がある
非金属
金属以外の物質を非金属という。
ガラス、プラスチック、水など
有機物
炭素を含む化合物のこと。
炭素を含むので加熱するとこげて黒くなる(炭の色)
有機物は炭素と共に水素を含むものが多く、燃やすと炭素が酸素と化合して二酸化炭素になり、水素と酸素が化合して水が発生する。
有機物は大きな化学エネルギーを持っているので昔から燃料として用いられてきた。生物の呼吸では細胞内で有機物が酸化されエネルギーをとりだして生命活動に使われる。
有機物の例・・・木、ろう、砂糖、デンプン、プラスチック、エタノール
※炭素や一酸化炭素、二酸化炭素は炭素を含んでいるが無機物である。
無機物
有機物以外の物質。
食塩、水、二酸化炭素、金属など
※二酸化炭素は炭素を含んでいるが無機物である。
密度
体積1cm3あたりの質量。(単位g/cm3)
物質の種類によって決まった値なので、密度を調べればその物質が何なのかわかる。
密度(g/cm3)=質量(g)体積(cm3)
例・・・水(1.00g/cm3)、エタノール(0.79g/cm3)
密度が水より小さい物質は水に浮く。
酸素
無色無臭の気体。水にはわずかしかとけない。
空気中に約2割含まれていて、空気より少し重い。
酸素原子の元素記号はO、酸素分子の化学式はO2である。
酸素自体は燃えないが、他の物質を燃やす働き(助燃性)があり、燃えた物質は酸素と結びついて酸化物になる。
生物が呼吸で酸素を取り入れるのは細胞内で有機物を酸化させて生命活動に必要なエネルギーをとりだすためである。
発生方法・・・二酸化マンガンにオキシドール(過酸化水素水)を加える。
確かめ方・・・火のついた線香をいれると激しく燃える。
二酸化炭素
無色無臭の気体。空気より重い。
水にすこしとけて水溶液は炭酸水といい、酸性になる。
化学式はCO2、炭素を含んでいるが無機物である。
二酸化炭素の固体をドライアイスという。
二酸化炭素は炭素と酸素が結びついた化合物なので、炭素や有機物を燃焼させると発生する。
空気中にわずかだけ存在しており、温室効果があるので空気中の二酸化炭素が増えると地球温暖化が進むと言われている。
発生方法・・・石灰石にうすい塩酸を加える。
確かめ方・・・石灰水に通すと白くにごる。
水素
無色無臭の気体。水にとけにくい。もっとも軽い気体。水素原子の元素記号はH、水素分子の化学式はH2。
水を電気分解すると発生する。酸素と激しく反応し酸化すると水になる。
発生方法・・・亜鉛などの金属にうすい塩酸を加える。
確かめ方・・・火をつけるとポンと音を出して燃える。
アンモニア
無色で刺激臭のある気体。空気より軽い。
水によくとけて水溶液はアンモニア水で、アルカリ性になる。
化学式はNH3
発生方法・・・塩化アンモニウムと水酸化カルシウムをまぜて加熱する。
水に非常に溶けやすく空気より軽いので上方置換法で集める。
また、アンモニアは細胞呼吸でアミノ酸が分解される時に発生する。体内にあると有害なので肝臓で尿素に変えられて排出される。
窒素
無色無臭の気体。水にとけにくい。
空気よりわずかに軽い。空気の約8割が窒素である。
窒素原子の元素記号はN、窒素分子の化学式はN2
塩素
黄緑色、刺激臭のある気体。
水によくとけて水溶液は酸性になる。空気より重い。
有毒で、殺菌作用、漂白作用があるので、水道水やプールの殺菌剤、衣類などの漂白剤として使われる。
塩素原子の元素記号はCl、塩素分子の化学式はCl2
水上置換法
水にとけにくい気体を集める方法。
純粋な気体を集めることができる。
例・・・酸素、水素、窒素、二酸化炭素
上方置換法
水にとけやすくて空気より軽い気体を集める方法。
例・・・アンモニア
下方置換法
水にとけやすくて空気より重い気体を集める方法。
例・・・塩素、二酸化炭素
溶質
溶液の中にとけている物質。
液体に固体を溶かした場合、溶質は固体、液体に気体を溶かした場合、溶質は気体である。
例・・・食塩水の溶質は食塩
溶媒
溶質を溶かしている液体。
溶媒が水の場合の溶液は水溶液といい、溶媒がアルコールならアルコール溶液である。
例・・・食塩水の溶媒は水
溶液
溶質が溶媒にとけた液全体。
溶液の質量=溶媒の質量+溶質の質量となる
例・・・食塩水は溶液
水溶液
溶媒が水である溶液。
水の中で溶質が目に見えない小さな粒となって均一に広がっている。そのため水溶液は透明で、濃さはどこも同じであり、放置しても一部分が濃くなったりしない。
一定量の水に溶ける溶質の質量には限界がありそれを溶解度という。
純粋な物質
他の物質が混じっていない、1種類の物質でできている物質のこと。
純物質ともいう。
例)単体の純物質・・・酸素、銅、窒素など
化合物の純物質・・・二酸化炭素、水、酸化銀など
混合物
2種類以上の物質が混ざっているもの。
混合物を加熱して状態変化させた場合、融解中や沸騰中も温度が一定にならず変化する。
例)食塩水・・・食塩と水の混合物、空気・・・窒素と酸素、その他の気体の混合物
質量パーセント濃度
水溶液の濃さを表す。溶液の質量に対する溶質の質量の割合をパーセントで表したもの。
質量パーセント濃度(%)=溶質の質量(g)溶液の質量(g)×100
溶解度
100gの水に溶かすことのできる物質の限界の質量。
物質によって決まっている。温度によって変化する。
一般に溶質が固体の場合は温度が高いほど溶解度が大きくなり、溶質が気体の場合は温度が低いほど溶解度が大きくなる。
物質が溶解度まで溶けた水溶液を飽和水溶液という。
飽和水溶液
物質が一定量の水に溶ける量には限度があり、物質の種類によって異なる。
限度いっぱいまでとけた状態を飽和しているといい、その水溶液を飽和水溶液という。
再結晶
固体を水にとかし再び結晶として取り出すこと。
再結晶には温度が高い水にたくさん溶かして冷やす方法と水を蒸発させる方法がある。
結晶
物質を形成する粒子が規則正しく並んでいる固体。
物質の種類によって特有の形がある。規則正しい多面体であることが多い。
状態変化
温度変化によって物質が固体、液体、気体と変化すること。
固体を加熱すると液体になり、液体を加熱すると気体になる。 また気体を冷やすと液体に、液体を冷やすと固体になる。
固体が液体になることを融解、液体から固体になることは凝固、液体から気体は蒸発、気体から液体は凝縮という。気体から固体、固体から気体は両方とも昇華である。
同じ質量での体積は固体より液体が大きく、液体より気体は非常に大きい。ただし、水だけ例外で液体より固体のほうが体積が大きい。
状態変化で質量は変化しない。
固体
一定の形と体積があり、ほとんど変形しない状態。
物質を形成する粒子が互いに強く結びついていて、動き回らない。多くの固体は粒子が規則的に並んで結晶となっている。3つの状態のうちもっとも密度が大きい(水だけ例外)
液体
液体を構成する粒子が固体よりも運動が活溌な状態。
粒子が触れ合いつつ動いているので全体は一定の形にならない。
気体
気体の粒子はばらばらになりお互いぶつかり合いながら勢いよく飛び回っている。
3つの状態のうちもっとも密度が小さい。
気体の体積は液体に比べて著しく大きい。
気体の集め方には水上置換法、上方置換法、下方置換法がある。
常温で気体の物質の例・・・酸素(O2)、水素(H2)、窒素(N2)、塩素(Cl2)、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)
融点
固体がとけて液体に変わるときの温度。
物質の種類によって決まっている。(水の融点は0°C)
純粋な物質では融解中の温度は変わらず一定の温度になる。(グラフが水平)
沸点
液体が沸騰するときの温度。
物質の種類によって決まっている。(水の沸点は100°C)
純粋な物質では沸騰中の温度は一定になる。
蒸留
液体を沸騰させ出てくる気体を冷やして再び液体として取り出すこと。
沸点の違いを利用して液体の混合物をわけることができる。
例・・・エタノールと水の混合物を沸騰させるとはじめは沸点の低いエタノールを多く含む気体が出てくる、後になると沸点の高い水を多く含む気体が出てくる。
ろ過
液体中に溶けずに混じっている固体がある場合に、ろ紙などを使って液体と固体に分ける操作。