大地の変化
マグマ
地下の、高温で岩石がどろどろに溶けた物質のこと。プレートが沈み込んでいるところで、岩石の一部が溶けてマグマを生じる。
火山の噴火はマグマの上昇によっておこり、マグマの性質(ねばりけ)により火山の形や噴火の様子、岩石の色などが異なる。
マグマの粘り気が小さいと噴火は穏やかで岩石の色は黒っぽくなる。
マグマの粘り気が大きいと噴火が激しく、岩石の色が白っぽくなる。
マグマだまり
地下でマグマがまとまって蓄えられているところ。
地下数十kmの深いところで生じたマグマが比較的浅い数kmのところまで上昇してマグマだまりをつくる。
火山が噴火するときに、マグマはマグマだまりから岩石の割れ目などを突き破って地表に出てくる。
火山噴出物
火山の噴火によって地表に噴出した物質の総称。
溶岩、火山灰、火山れき、火山岩塊、火山弾、軽石、火山ガスなど。
火山ガス
気体の火山噴出物。
成分は水蒸気がほとんどで、他に二酸化炭素、二酸化硫黄などが含まれる。
溶岩
地下のマグマが地上に流れ出たもの、さらにそれが冷えて固まったものも溶岩と呼ぶ。
火山灰
固体の火山噴出物。
非常に小さい破片。(直径2mm以下)
固体の火山噴出物は大きさで呼び名が異なり、小さい方から火山灰、火山れき、火山岩塊と呼ぶ。
火山れき
固体の火山噴出物。火山灰より大きい粒の破片。(直径2mmから64mm)
固体の火山噴出物は大きさで呼び名が異なり、小さい方から火山灰、火山れき、火山岩塊と呼ぶ。
火山弾
噴火のときにマグマが完全な固体ではないまま空中に噴出され、飛行中に特定の形にかたまったもの。
球状や紡錘状などさまざまな形がある。
軽石
固体の火山噴出物。白っぽい岩石でガスの抜けた穴が無数にあいている。
火砕流
火山の噴火の時に、火山灰や火山れきなどが高温の火山ガスとともに一団となって高速で山の斜面を流れ下る現象。
1991年に雲仙普賢岳で生じた火砕流では大勢の犠牲者が出た。
火成岩
マグマが冷えて固まった岩石のこと。
火成岩のうち地下深くで固まったものが深成岩、地表近くで固まったものが火山岩である。
火山岩
火成岩のうち、地下の浅いところや地上で急に冷え固まった岩石。
火山岩の組織は斑状組織といい、地下にあるときに成長した結晶(斑晶)と 地表近くで急に冷えて固まったために結晶になれなかった部分(石基)からできている。
火山岩は含まれる鉱物の違いにより白っぽいものから黒っぽいものまで種類がわかれている。 白い方から順に流紋岩、安山岩、玄武岩である。
深成岩
火成岩のうち、地下の深いところでゆっくり冷えて固まった岩石。
マグマが地下深くでゆっくり冷えて固まると、 それぞれの鉱物の結晶が成長して大きくなる。この大きな鉱物の結晶が組み合わさった組織を等粒状組織という。
深成岩は鉱物の違いから白っぽいものから黒っぽいものまである。白い方から順に花こう岩、せん緑岩、斑れい岩である。
斑状組織
火山岩の組織。細かな石基のなかに斑晶という大きな結晶がみられる。
地下にあるときにゆっくり冷えて成長した結晶が斑晶で、噴火などで地表付近に来て急に冷やされて大きな結晶になれなかった部分が石基である。
等粒状組織
深成岩の組織。地下深くでゆっくり冷えてかたまる間に結晶が大きく成長したためほぼ同じくらいの大きな結晶だけでできている。
石英
無色鉱物。無色または白色。不規則に割れる。
花こう岩や流紋岩などに含まれている。
長石
無色鉱物。白色または薄桃色や灰色。決まった方向に割れる。
ほとんどの火成岩に含まれている。
黒雲母
有色鉱物。黒色、褐色。うすくはがれる。
流紋岩、花こう岩や安山岩、せん緑岩などに含まれる。
角閃石
有色鉱物。黒色または黒緑色。長い柱状に割れる。
流紋岩、花こう岩や安山岩、せん緑岩などに含まれる。
輝石
有色鉱物。黒緑色または暗褐色。短い柱状に割れる。
玄武岩、斑れい岩、せん緑岩、安山岩などにふくまれる。
カンラン石
有色鉱物。黄緑色〜褐色、丸みのある立方体 。
玄武岩や斑れい岩などに含まれる。
花こう岩
深成岩のひとつ。無色鉱物を多く含むため白っぽく見える。
主に長石、石英、黒雲母からなり、角閃石を含むこともある。
せん緑岩
深成岩で、花こう岩と斑れい岩の間の色である。
長石、角閃石、黒雲母、輝石、石英などを含む。
斑れい岩
深成岩で、有色鉱物の割合が多いので黒っぽく見える。
長石、輝石、カンラン石、角閃石、磁鉄鉱などを含む。
流紋岩
火山岩で白っぽい。
石英、長石、黒雲母、角閃石などを含む。
安山岩
火山岩で、流紋岩と玄武岩の中間の色である。
長石、輝石、角閃石、黒雲母などを含む。
玄武岩
火山岩で黒っぽい。
長石、輝石、カンラン石、磁鉄鉱などを含む。
地震
地下の岩石に巨大な力が加わり、その力に耐えられなくなった岩石が壊れて地震波が発生する現象。
地震波にはP波とS波があり、P波のほうが先に到着するが揺れは小さい。
地震の発生場所を震源といい、地下にある。
地震そのものの規模を表す単位がマグニチュード(M)で、ある地点でのゆれを表すのが震度である。
地震はプレート境界付近で多く発生しているほか、内陸型地震とよばれる地下の浅いところで発生する地震もある。
震源
地震の発生した場所。
地震は地下の岩石が破壊され、そこから波が発生するので震源は地下である。
震源はプレートの境界付近に多く分布している。
また、プレート内部で起こる内陸型地震では震源が地下の浅いところにある。
震央
震源の真上の地表の地点。
震度
ある地点での地震のゆれの大きさ。
0から7までで5と6は弱と強がるので10段階である。観測地点ごとに震度は異なり一般に震源から遠いほど小さくなる。
これに対して地震そのものの規模を表すのがマグニチュードである。
マグニチュード
地震そのものの規模をあらわす尺度で記号はM。
マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは約30倍になる。
震度と違い1つの地震についてマグニチュードの値は1つである。
一般に震源からの距離が同じならマグニチュードが大きいほどゆれは大きくなる。また、マグニチュードが小さくても震源からの距離が近ければゆれは大きくなる。
P波
地震によって発生する波のうち最初に到着する波。
伝わり方が速く、秒速6kmから8kmくらいである。
P波によるゆれは小さく、これを初期微動という。
S波
地震によって発生する波のうち2番めに到着する波。
伝わる速度は遅く、秒速3kmから4kmくらいである。
S波はゆれの大きな主要動を起こす。
初期微動
地震のはじめのちいさなゆれ。
P波が到着してからS波が到着するまでのゆれのこと。
主要動
地震の初期微動のあとからくる大きなゆれ。
S波によって起こされる。
初期微動継続時間
P波が到達してからS波が到達するまでの初期微動が続いている時間。
震源からの距離と初期微動継続時間は比例する。
プレート
地球表面をおおっている、厚さ約100kmの岩盤。
地球表面に十数個のプレートでおおわれていて、そのプレートが動いている。
日本付近では大陸プレートの下に海洋プレートがもぐりこんでいて、その境界面で地震が多く発生する。
また、内陸型地震もプレートの動きが関係していると考えられる。
海嶺
海底の山脈(海底山脈)。
海嶺のうち中央海嶺は地球内部から溶岩がわき出して両側に広がりながら新たな海洋プレートを作り出している。
海溝
プレートの境界で海洋プレートが地球内部へ沈み込んでいるところ。
海底で溝状の地形になっている水深6000mを超えるものをいう。
弧状列島
大洋と大陸の間にあり、大洋側に弓状にふくらんだ形の列島。
大洋側に列島に平行に海溝がある。主に太平洋の周縁部にあり、日本列島もその1つである。海洋プレートが、大陸プレートに沈み込むことによって弧状列島がつくられる。
内陸型地震
陸側のプレート内部で発生する地震。
活断層が動くことによって発生する。直下型地震とよぶこともある。
地下の浅いところで発生するので大きな被害をもたらすこともある。
断層
岩盤や地層が大きな力を受けて断ち切られてずれたところ。
活断層
断層のうち、最近数十万年の間に何度も動いたことのある断層。
動きやすくなっているので今後も活動する可能性が高い断層である。
隆起
土地が周囲よりも上がること。
地震によっておきたり、長期間にわたってゆっくり起こる場合もある。
反対の現象が沈降である。
沈降
土地が周囲よりも下がること。
反対の現象が隆起である。
風化
地表の岩石が長い年月の間に気温の変化や風雨の影響などでもろくなりくずれていくこと。
侵食
流水のはたらきで岩石がけずりとられること。
川では上流の流れが速いところで侵食がさかんに行われる。
堆積
水の流れで運ばれてきた土砂などが流れのゆるやかなところや海底に積み重なっていくこと。
川が山地から平野に出たところで流れが緩やかになるので、そこに土砂が堆積して扇状地が作られる。
また、川が海に注ぐ河口で土砂が堆積してできた地形が三角州である。
河口では粒の大きなものは速く沈み、岸の近くに堆積し、粒の小さなものほど遅く沈み、沖の方に堆積する。
堆積岩
堆積した土砂が長い年月おし固められてできた岩石。
凝灰岩以外は粒が丸い。生物の化石を含むことがある。
泥岩、砂岩、れき岩、凝灰岩、石灰岩、チャートなどがある。
れき岩
粒の大きさが2mm以上の堆積岩。
砂岩
粒の大きさが116mmから2mmまでの堆積岩。
泥岩
粒の大きさが116mm以下の堆積岩。
石灰岩
生物の死がいや水に溶けていた成分が沈殿して岩石になった堆積岩。
炭酸カルシウムが主成分で塩酸をかけると二酸化炭素が発生する。
チャート
生物の死がいや水に溶けていた成分が沈殿してが岩石になった堆積岩。
二酸化ケイ素が主成分である。非常に固いのでくぎで傷つけることができない。
凝灰岩
火山灰などの火山噴出物が堆積して岩石になったもの。
過去に火山の噴火があったことが分かる。
地層の対比に役立つ。他の堆積岩と違い粒の角がとがっている。
地層
堆積物や堆積岩が層状に連なったもの。
露頭
がけや道路ぞいなど地層が現れているところ。
しゅう曲
長期間大きな力を受けて地層が波打つように曲がったもの
海岸段丘
波による侵食と海岸線の隆起によってできた階段状の地形
不整合
地層が連続して堆積していない重なり方。
海底で堆積した地層が地殻変動によって隆起して、陸上に出て侵食され、次に沈降によって再び海底に戻ってその上に新たな地層が堆積してできる。
X-Yが不整合面
化石
地質時代の生物の死がいや、足あとなどの痕跡が地層に残ったもの。
当時の環境を知る手がかりとなるのが示相化石で、年代を知る手がかりとなるのが示準化石である。
示相化石
地層が堆積した当時の環境を知ることができる化石。示相化石となるのは限られた環境に住む生物である。
例・・・サンゴ(暖かい、きれいな浅い海)、ホタテガイ(浅い海)、シジミ(淡水や淡水と海水のまざるところ)
示準化石
地層が堆積した年代を知るてがかりになる化石。短い期間、広い範囲に栄えて絶滅した生物の化石が示準化石になる。
例・・・フズリナ(古生代)、サンヨウチュウ(古生代)、恐竜(中生代)、
アンモナイト(中生代)、ナウマンゾウ(新生代)、ビカリア(新生代)
古生代
5億4200万年前から2億5100万年前までの時代。
無脊椎動物が栄え、後半には脊椎動物の魚類や両生類、は虫類も発展した。
植物ではシダ植物が栄え、裸子植物が出現した。
三葉虫やフズリナが示準化石である。
中生代
2億5100万年前から6600万年前までの時代。
アンモナイト、恐竜、裸子植物が繁栄し、鳥類、哺乳類、被子植物が出現した。
新生代
6600万年前から現在までの時代。古第三紀、新第三紀、第四紀に分けられる。
哺乳類と被子植物が栄える。
ビカリアやマンモス、メタセコイアなどが示準化石である。
地質時代
地層の重なりや示準化石などからいくつかに区分した時代のこと。
古生代、中生代、新生代などがある。