電気
電気の種類
電気には+(プラス)の電気と-(マイナス)の電気の2種類ある。
プラスどうしやマイナスどうしの同じ種類の間にはしりぞけあう力が働き、プラスとマイナスの異なる種類の間には引き合う力がはたらく。
電気の力は重力と同じように離れていてもはたらく力である。
静電気
物体にたまって動かない電気。
電気を通さない物体どうしをこすりあわせると一方の電子が他方に移ることで電気を帯びる。
電子は-(マイナス)の電気をもっているので電子が移動した先の物体は-に、移動したもとの物体は+に帯電する。
放電
たまっていた電気が流れる現象。
本来電気を通さない気体や真空の場合でも高い電圧がかかると電気が流れる(気体放電、真空放電)。
例・・・いなずま、蛍光灯
真空放電
気圧の非常に低い気体の中でおこる放電。
クルックス管、蛍光灯、ネオンなどは真空放電を利用している。
陰極線
真空放電などで-極(陰極)から出る電子の流れ。
実験ではクルックス管(真空放電管)の蛍光板上に明るい線がみられる。
電子
-(マイナス)の電気を帯びた粒子。
電子は陰極線や金属中を流れる電流の正体である。ただし電子の流れは-から+なので電流とは逆である。
電子は原子を構成する粒子の一つで原子の中にいくつかあり、原子核のまわりを回っている。
原子の中の電子と陽子の数は等しい。
→原子の構造(3年)
自由電子
金属では、原子の中の一部の電子が自由に動きまわっている。これを自由電子という。
金属に電圧をかけると、自由に動きまわっていた電子が一斉に+の方向に動く。これが電流の正体である。 ただし、電子はマイナスからプラスに流れるが、電流の流れる向きはプラスからマイナスである。
電源
電気を流すもと。
電池やコンセント、電源装置などのこと。
電源には直流電源と交流電源がある。
導線
電流を流すための導体となる金属の線。電線。
回路
電流の流れる道筋。電気回路、電流回路ともいう。
電源、電気抵抗、豆電球などを導線でむすんだもの。
回路を電気用図記号を用いて表したのが回路図である。
回路に1ヶ所でも切れ目があると電流は流れないため、回路は必ず切れ目なくつながっている。
→直列回路
→並列回路
電気用図記号
回路図をかくときに使う記号。
直列回路
電流の通り道が枝分かれせず、1本道になっている回路。
直列回路では電流はどこでも同じであり、電圧は各抵抗に加わる電圧の和が電源電圧に等しくなる。
並列回路
電流の通り道が枝分かれしている回路。
枝分かれの部分を流れる電流の和は枝分かれ前の電流と同じ。各抵抗に加わる電圧は電源電圧と同じ。
電流
電気の流れ。
電流の大きさは電気の流れる量のこと、電流計ではかる。
電流の単位はA(アンペア)。mA(ミリアンペア)もよく使われる。 1000mA=1A
電流は+極から-極に流れる。
電流の大きさは、枝分かれしなければどこでも等しい。枝分かれする場合、枝分かれした電流の大きさの和が分かれる前の電流の大きさに等しい。
電圧
電気を流そうとするはたらきのことを電圧という。電圧計ではかる。
電圧の単位はV(ボルト)。電圧は並列では等しく、直列では和になる。
電流計
電流をはかる計器。
はかろうとする部分に直列につなぐ。電流の大きさが予想できない場合、-端子は最も大きな5Aにつなぐ。
電圧計
電圧をはかる計器。
はかろうとする部分に並列につなぐ。電圧の大きさが予想できない場合、-端子は最も大きな300Vにつなぐ。
オームの法則
電流の強さは電圧に比例する。
電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω)
電気抵抗(抵抗)
電流の流れにくさを表す量。単位Ω(オーム)
抵抗(Ω)= 電圧(V) 電流(A)
また、電気抵抗は物体の長さに比例し、断面積に反比例する。
全体抵抗
電気抵抗が2つ以上ある回路で、回路全体の抵抗のこと。全体の電流と電源の電圧から求める。
全体抵抗(Ω)=電源電圧(V)全体の電流(A)
直列回路では各抵抗の和が全体抵抗になる。R=R1+R2+R3+・・・・
並列回路では全体抵抗は各抵抗よりちいさくなる(全体抵抗の逆数が、各抵抗の逆数の和)
1R=1R1+1R2+1R3+・・・
導体
金属など、抵抗が小さく、電気を通しやすい物質のこと。
金属の中には自由電子があるため電気を通しやすい。
→不導体(絶縁体) 半導体
不導体(絶縁体)
抵抗が非常に大きく電流がほとんど流れない物質。ガラス、ゴムなど
→導体 半導体
半導体
導体と不導体(絶縁体)の中間の抵抗値を持つ物質。
温度や光、不純物など外部の要因によって抵抗値が大きく変化するのが特徴。
トラジスターやIC、LSI、発光ダイオードなどに応用されている。
電気エネルギー
電気が持っているエネルギー。
光エネルギーや熱エネルギー、運動エネルギーなどに容易に変換できる。
電力
電気エネルギーが1秒間にする仕事の量を表す。単位はW(ワット)。
電気器具の場合、熱や光、ものを動かす能力の大小を表す。電球であれば電力が大きいほど明るい。
電力(W)=電流(A)×電圧(V)
熱量
熱エネルギーの大きさ。単位はJ(ジュール)。電熱線から発生する熱量(発熱量)は消費電力(W)と時間(秒)に比例する。
熱量(J)=電力(W)×時間(秒)
熱量の単位にはcal(カロリー)も使われることがある。 1cal = 約4.2J
電力量
電気エネルギーの量。
エネルギーの単位はJ(ジュール)だが、日常で実用的に使われる単位にはWh(ワット時)やkWh(キロワット時)がある。1Wh=3600J
電力量(Wh)=電力(W)×時間(時間)
磁力
磁石が他に磁石に対しておよぼす力。
磁石にはN極とS極があり同じ種類の極(N極とN極、S極とS極)どうしではしりぞけあい、異なる種類の極(N極とS極)どうしでは引き合う。
磁力は離れていてもはたらく力である。
磁界
磁力のはたらく空間。磁場とも言う。
磁界の向きはN極からS極である。
磁界の中で方位磁針を置くと方位磁針のN極は磁界の向きを指す。
電流による磁界
電流を流すとその周りに同心円を描くように磁界ができる。
コイルによる磁界
コイルに電流を流すと図のような磁界ができる。
磁力線
磁界を表す線。
N極からS極に向かって矢印を書く。 磁力線の密なところでは磁力が強い。
電流が磁界から受ける力
磁界のなかで電流を流すと、元の磁界が変化する。この変化をもとにもどす方向に電流は力を受ける。 受ける力の大きさは電流が強いほど、磁界が強いほど大きくなる 電流の向きを変えず、磁石のN極とS極の向きを入れ替えると力の向きは逆になり、磁石の向きを変えずに電流の向きを変えると力の向きは逆になる。
コイル
導線を輪状に巻いたもの。
→コイルによる磁界
電磁誘導
コイルの中の磁界を変化させるとコイルに電流が流れる現象。
磁界の変化をさまたげる方向に電流が流れる。このときの電流を誘導電流という。この原理を応用して発電機がつくられている。
誘導電流
電磁誘導によって流れる電流。
誘導電流を強くするには 磁石を速く動かしたり、磁力が強い磁石を使ったり、コイルの巻き数を多くしたりすればよい。
直流
電流の向きと強さが変化しない電流。
常に一方向に一定の強さで流れている。電池などによる電流。
→交流
交流
電流の向きと強さが時間とともに周期的に変化する電流。
1秒間に変化する回数を周波数といいHz(ヘルツ)であらわす。日本の家庭用電源は交流で西日本は60Hz、東日本は50Hzである。
→直流
発光ダイオード
LEDと略す。電流を流すと発光する半導体。
+極と-極の端子があり、電流の向きが逆だと発光しない。