天気の変化

地表付近にうかぶ小さな水滴。
霧は地表付近の空気が冷やされて気温が露点より低くなると空気中の水蒸気が凝縮して水滴となって発生する。とくに風のない晴れた日の夜には、放射冷却によって地表から熱が逃げて地表の温度が下がるので発生しやすい。
内陸の盆地などで深夜から早朝にかけて発生しやすい。

飽和水蒸気量

空気1m3に含むことのできる水蒸気の質量の限界。
気温が高いほど飽和水蒸気量が大きくなる。空気中の水蒸気量が変化せずに気温が下がると飽和水蒸気量は小さくなるので限界を越えたところで水蒸気が凝縮して水滴となる。

露点

空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変わるときの温度。
飽和水蒸気量は気温が下がるほど小さくなるので、水蒸気を含んだ空気の気温が下がると、水蒸気量が限界を超えてしまう。限界を超えると空気中に水蒸気としていられないので、水滴となって出てくる。この水滴のできはじめる温度を露点という。
空気中に含まれる水蒸気の量は露点の飽和水蒸気量に等しい。

湿度

空気の湿り気の度合い。
空気中の水蒸気量が飽和水蒸気量に対してどれだけの割合かをパーセントで表したものである。
湿度(%)=空気1m3に含まれる水蒸気量飽和水蒸気量×100

上空に浮かんだ小さな水滴や氷の粒の集まり。
空気が上昇すると、地上に比べて上空は気圧が低いので空気は膨張する、空気は膨張すると気温が下がる性質があるので上空ほど気温が下がる。気温が露点より低くなると空気中の水蒸気が凝縮して水滴となる、さらに気温が下がって氷の粒ができることもある。

気流

空気の上下の動きのこと。
空気が上昇することを上昇気流、下降することを下降気流という。

上昇気流

空気の上昇する動きを上昇気流という。
上昇気流があるところは雲ができて天気が悪い。
低気圧の中心付近には上昇気流がある。

下降気流

空気の下降する動きを下降気流という。
下降気流があるところは一般に天気が良い。
高気圧の中心付近には下降気流がある。

等圧線

天気図上で気圧の等しいところを結んだ曲線。
1000hPaを基準に4hPaごとに引いてある。さらに5本(20hPa)ごとに太線になる。
等圧線の間隔がせまいところでは風が強い。

水蒸気

気体の水のこと。目には見えない。
空気中に含まれる水蒸気の量には限界があり、その限界の量を飽和水蒸気量という。
水は蒸発して水蒸気になる時に周りから熱を吸収する(気化熱)。
逆に水蒸気が凝縮して水になる時に周りに熱を放出する(潜熱)。

天気図

地図上に高気圧低気圧の分布を等圧線で表し、天気記号を用いて各地の天気や風の様子を記入したもの。

気圧配置

気圧の分布の様子。
等圧線を用いて表す。気圧配置からおよその天気の状況がわかる。
日本付近では冬の典型的な気圧配置が西高東低、夏の気圧配置が南高北低である。

放射冷却

地面が熱を放出して温度が下がる現象。
晴れた夜は地面から宇宙空間へ逃げていく熱が雲によってさえぎられないので、放射冷却がおこりやすい。

高気圧

まわりより気圧の高いところ。
高気圧の中心付近は下降気流なので天気が良いことが多い。
また、高気圧では右回りに風が吹き出している。

低気圧

まわりより気圧の低いところ。
低気圧の中心付近は上昇気流なので雲ができやすく天気が悪いことが多い。
また、低気圧では中心に向かって左回りに風が吹き込む。

空気の横の動きのこと。
気圧の高いところから低いところにむかって吹く。地球の自転によって北半球では進行方向の右向きの力をうけるので等圧線に対して直角になならない。
風向は吹いてくる方角を16方位で表す。
風力は風速を13階級に分けて表したもの。

乾湿計

乾球温度計と湿球温度計の二本の温度計を用いて湿度をはかる。
乾球は気温を示す。湿球は水が蒸発するときに熱を奪うので乾球より低い温度を示す。
空気が乾いているほど水が蒸発しやすいので乾球と湿球の温度差が大きくなる。この性質を利用して湿度を求める。

晴れ、快晴、曇り

天気の快晴、晴れ、曇りは雲量によって決まる。空全体の0から1割の雲がある時が快晴、2割から8割が晴れ、9割から10割が曇りである。

雲量

空全体に対する雲の割合。0から10まで11段階ある。
雲量0〜1は快晴、2〜8は晴れ、9〜10はくもりである。

降水

雪や雨など上空から落ちてくる液体や固体の水を降水という。
を形成している水滴や氷の粒は非常に小さいので落下してこない。ところが、これらが互いにぶつかって大きな粒になると重くなって落ちてくる。 これが雨や雪である。

天気記号

天気図で各地の天気を表すための記号。

前線面

寒気団(冷たい空気)と暖気団(暖かい空気)のぶつかる境界面。
性質の違う空気同士はすぐには混ざり合わないので境界面ができる。暖かい空気は冷たい空気より軽いので前線面(境界面)で暖かい空気が持ち上げられ上昇気流が起こる。このため前線付近で天気が悪くなる。

前線

前線面が地面と交わる線。
前線付近では上昇気流により雲が発生しやすく天気が悪い。温暖前線寒冷前線停滞前線閉塞前線などの種類がある。温帯低気圧は前線をともないやすい。

温暖前線

暖気が寒気の上へはい上がるように進む前線。
斜め上昇するので広い範囲に穏やかな雨が降る。乱層雲、高積雲、巻積雲、巻雲などができる。前線通過後に風が南向きにかわって気温が上がり、一時的に天気が回復する。

寒冷前線

寒気が暖気を押して進む前線。寒気が暖気を真上方向に押し上げるので背の高い積乱雲ができ、狭い範囲に激しい雨を降らせる。前線通過後に風が北向きにかわり、気温が下がる。

停滞前線

寒気団と暖気団がほぼ同じ勢力でぶつかり合ってできる前線。ほとんど動かず停滞する。梅雨前線秋雨前線がある。

閉塞前線

寒冷前線が温暖前線に追いついた前線。閉塞前線ができると低気圧は消滅する。

梅雨前線

5月の後半から7月にかけて日本付近に発生する停滞前線
冷たい空気を持つオホーツク海気団の高気圧と暖かい空気の小笠原気団の高気圧が同じ勢力でぶつかり合い停滞前線をつくる。これを梅雨前線と呼び、この時期を梅雨という。

秋雨前線

秋に日本付近に停滞する停滞前線
夏に小笠原気団の勢力が強くなって北へ押し上げられていた停滞前線(梅雨前線)が、小笠原気団の勢力が弱まる秋に南下して日本付近に停滞する。これを秋雨前線と呼ぶ。

気団

気温や湿度がほぼ一定の空気の集まり。
大規模な高気圧によってできる。海洋上にある気団は湿った空気、大陸上は乾いた空気を持っている。日本付近にはシベリア気団オホーツク海気団小笠原気団揚子江気団がある。

シベリア気団

冬に勢力を強めるシベリアで発生する気団。冷たく乾いている。
冬に日本付近に張り出て寒気をもたらし北西の季節風を吹かせる。
シベリア気団の高気圧から吹く北西の乾いた季節風は日本海の暖流の上を通るときに大量の湿気を含み、日本の中央部の山脈を超えるときに日本海側に大量の雪を降らせる。
山脈を超えて太平洋側へ吹き降ろすときは乾燥して太平洋側は快晴になる。

オホーツク海気団

オホーツク海で発生する気団。冷たく湿っている。
小笠原気団とぶつかって梅雨前線秋雨前線などの停滞前線をつくる。

小笠原気団

日本の南東の太平洋で発生する気団。暖かく湿っている。
夏に勢力を強めて日本付近をおおう。

揚子江気団

中国の揚子江流域で発生する気団。暖かく乾いている。
春や秋に移動性高気圧となって日本付近を訪れる。

季節風

季節によって決まった方向にふく風。モンスーン。
冬は海に比べて大陸が低温になるので、大陸に高気圧ができ大陸から海に向かって吹く。夏はその逆。
日本付近では冬に北西の季節風が、夏には南東の季節風が吹く。

偏西風

地球の中緯度地域(日本など)の上空を吹く西よりの風。
一年中吹いている。偏西風の影響で天気は西から東へ移り変わる。

移動性高気圧

春や秋など偏西風に運ばれて日本付近を通過する小さな高気圧。
低気圧と交互にやってくるので春や秋は周期的に天気が変わる。

台風

熱帯低気圧が発達したもの。
風雨が激しく大きな被害をもたらすことがある。
8月から9月ごろに日本付近に近づくことが多い。北上して北から寒気が吹き込むと温帯低気圧に変化する。

熱帯低気圧

熱帯地方で発生する低気圧
暖かい海で上昇する水蒸気をエネルギーに発達する。暖かい空気だけでできているので前線がない。
熱帯低気圧が発達し、最大風速が約17m/s以上のものを台風と呼ぶ。

温帯低気圧

温帯地方で発生する低気圧
冷たい空気と暖かい空気がぶつかって前線をともなうことが多い。

海風

陸は海よりあたたまりやすく冷めやすいので、晴れた日の昼など陸の気温が海の気温より高くなり、上昇気流が発生すると海から陸に向かって風が吹く。これが海風である。

陸風

陸は海よりあたたまりやすく冷めやすいので、晴れた日の夜などは放射冷却で陸の気温が海の気温より低くなり、下降気流が発生すると陸から海に向かって風が吹く。これが陸風である。

フェーン現象

湿った風が山を超えるときに風上より風下の山麓で気温が高くなり乾燥する現象。
水は蒸発するときに周りから熱を吸収し、凝縮するときに熱を放出する。空気は上昇すると気温が下がるが、露点より低くなり水蒸気が水滴になるとき熱を放出するので気温の下がり方が小さくなる(100mにつき約0.5℃)。
山を超えて吹き降ろすときは雲ができないので気温の上がり方が大きくなり(100mで約1℃)風上より風上のほうが気温が高くなる。

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