運動とエネルギー
力の合成
物体にはたらく2つの力を、それらと同じはたらきの1つの力におきかえること。
この合成された1つの力を合力という。
→力の合成の方法
力の分解
物体にはたらいている1つの力を、それと同じはたらきの2つの力におきかえること。
分解されてできた2つの力を分力という。
→力の分解の方法
力の合成の方法
一直線上にある場合の合成・・・同じ向きなら和、反対向きなら差となる。
一直線上にない場合の合成・・・2つの力を表す矢印を2辺とする平行四辺形をつくり、その対角線が合力となる。
力の分解の方法
もとの力を対角線とする平行四辺形を作る。その平行四辺形の2辺が分力になる。分解する方向によって何通りにも分解できる。
合力
力の合成によって、おきかえられた1つの力のこと。
分力
力の分解によって、おきかえられた2つの力のこと。
力の平行四辺形の法則
力の合成と、力の分解についての法則。
2つの力は、これらを2辺とする平行四辺形の対角線で表される力に合成される。
また、1つの力はそれを対角線とする平行四辺形の2辺で表される2つの力に分解できる。
力のつり合い
1つの物体に2つの力が働いていて、同じ大きさ、反対向き、一直線上であればその2力はつりあう。
1つの物体に2力が働き、その2力がつりあっている場合、物体は静止しているか、等速直線運動をしている。
例・・・床や机など水平な面に物体を置いた場合、物体に働く重力と垂直抗力(抗力)がつりあっている。
2力のつり合う条件
2力の大きさは等しい。
2力の向きは反対である。
2力は同一直線上にある。(作用線が一致する)
記録タイマー
一定の時間間隔でテープに点を打つ器具。
東日本では1秒間に50回、西日本では1秒間に60回打点する。
1秒間に60回打点する場合、6打点するときの時間は0.1秒となる。
速さ
一定時間(1時間、1秒間、1分間など)に移動する距離。
速さの単位にはメートル毎秒(m/s)やキロメートル毎時(km/h)などがある。
速さ=移動した距離 移動にかかった時間
この式で求める速さはずっと同じ速さで動き続けると考えての速さ(平均の速さ)である。
平均の速さ
物体がある時間の間、同じ速さで動き続けたと考えて求める速さ。
瞬間の速さ
ごく短い時間間隔で求めた速さ。
自動車のスピードメーターなど。
力の加わる運動
物体に力を加えると加えた力の大きさに応じて物体の速さが変化する。
物体に一定の力が加わり続けると、速さは一定の割合で変化し続ける。
例・・・自由落下運動、斜面の運動、摩擦面での運動など
→等加速度運動
自由落下
物体が真下に自然に落下するときの運動。
物体には一定の重力がかかり続けるので、空気抵抗を無視できる範囲では速さが一定の割合で速くなる。
速さは時間に比例し、距離は時間の2乗に比例する。
→等加速度運動
静止まさつ力
水平面に置いてある物体を動かそうと力を加えても動かない場合、物体を動かそうとする力とつりあっているのが静止まさつ力である。
静止まさつ力は動かそうとする力とは反対向きに、その力と同じ大きさになる。そのため動かそうとする力を大きくすると静止まさつ力もそれに応じて変化する。ただし、静止まさつ力には大きさの限界がありそれを最大静止まさつ力という。最大静止まさつ力より大きな力を加えると物体は動き出す。
動まさつ力
まさつのある面で動いている物体にはたらくまさつ力。
物体の動く方向と逆向きにはたらく。動まさつ力は一定の大きさである。
等速直線運動
運動の向きも速さも変化しない運動(直線上を一定の速さで動く)。
物体に力が加わらないとき、または加わっている力がつり合っているときに等速直線運動になる。
速さは時間が変化しても一定のままで、移動距離は時間に比例する。
等加速度運動
一定の力が加わりつづける運動。一定の割合で速さが変化する。
例・・・自由落下、斜面の運動、摩擦面での運動など
速さは時間に比例し、移動距離は時間の2乗に比例する。
慣性の法則
物体に力ははたらかないときや、はたらいている力がつりあっているとき、物体はその運動状態を続ける。
つまり、静止している物体は静止し続け、動いている物体は等速直線運動を続ける。
慣性
静止している物体が静止し続けようとする、動いている物体が動き続けようとする性質。
作用反作用の法則
力は常に2つの物体の間で対になってはたらきあう。その一対の力は大きさが等しく、反対向きで同一直線上である。
例・・・ひもにぶら下がったおもりがある。
ひもがおもりを引く力の反作用はおもりがひもを引く力である。
エネルギー
仕事をする能力のこと。
位置エネルギー、運動エネルギー、熱エネルギーなどがある。単位は仕事と同じJ(ジュール)
エネルギーを持っている物体は他の物体を動かしたり、変形させたり、こわしたりする能力がある。
例・・・ある速さで運動している物体を他の物体にぶつけるとぶつけられた側は壊れたり動いたりする。このため運動している物体はエネルギーを持っているという。これが運動エネルギーである。
仕事
物体に力を加えて力の向きに動かしたとき、その力は物体に対して仕事をしたという。単位はJ(ジュール)
仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
→エネルギー、 仕事の原理、 仕事率
仕事の原理
てこや動滑車などの道具を使った場合と使わなかった場合の仕事の大きさは同じである。
このことから同じ仕事でも道具を使って移動距離を長くすれば小さな力で行うことができる。
→動滑車、てこ、斜面
仕事率
単位時間あたりの仕事の大きさ。単位はWワット。
仕事率(W)=仕事(J)仕事にかかった時間(s)
位置エネルギー
高いところにある物体を落とすことによって下にある物体に対して仕事をすることができる。つまり、高いところにある物体はエネルギーを持っているといえる。このエネルギーを位置エネルギーという。
位置エネルギー(J)=重さ(N)×高さ(m)
→力学的エネルギー
運動エネルギー
運動している物体はぶつかることで他の物体に対して仕事をすることができる。つまり運動している物体はエネルギーを持っているといえる。このエネルギーを運動エネルギーという。運動エネルギーは質量に比例し、速さの2乗に比例する。
運動エネルギー=12 ×質量×速さ×速さ
→力学的エネルギー
力学的エネルギー
位置エネルギーと運動エネルギーの和。
他から力が加わらない場合、力学的エネルギーは一定である。(力学的エネルギー保存の法則)
動滑車
物体を真上にxm上昇させるためにはひもを2xm引く必要があるが、ひもを引く力は物体の重さの半分になる。
てこ
物体を真上にxm上昇させるためには、点Pを下に x×bam引く必要がある。そのときの力は物体の重さのabになる。
斜面
物体をxm上昇させるには斜面に沿ってym引く必要がある。その時の力は 物体の重さのxyになる。
力学的エネルギー保存の法則
外から力が加わらなければ、位置エネルギーと運動エネルギーの和は一定に保たれる。
電気エネルギー(3年)
モーターに電流を流すと物体を動かすことができる。つまり電気は仕事をする能力を持っている。
このエネルギーが電気エネルギーである。
化学エネルギー(3年)
有機物などを燃焼させて、その熱で水を水蒸気に変えタービンを回して、物体を動かすことができる。つまり化学変化によって仕事をすることができる。このエネルギーを化学エネルギーという。
熱エネルギー
水を加熱すると水蒸気が発生し、この水蒸気で羽根車(タービン)を回すことができる。
この回転運動を利用すれば物体を動かすことができるので熱は仕事をする能力をもっている。
このエネルギーが熱エネルギーである。
光エネルギー
光を光電池に当てると電気が発生しそれによってモーターを回し物体を動かすことができる。
つまり、光は仕事をする能力を持っている。このエネルギーを光エネルギーという。
音エネルギー
音は振動が波となって伝わる現象である。つまり音によって物体を振動させることができる。つまり、音は仕事をする能力を持っている。
このエネルギーが音エネルギーである。
弾性エネルギー
バネを変形させるともとに戻ろうとして物体を動かすことができる。つまりバネは仕事をする能力を持っている。
このエネルギーを弾性エネルギーという。
核エネルギー
原子核の反応(核分裂など)が起こると非常に大きなエネルギーが発生し、これを利用して水を加熱して水蒸気によってタービンを回すのが原子力発電である。
このエネルギーを核エネルギーという。
エネルギー保存の法則
エネルギーは様々な形に移り変わるが、その総和は常に一定である。
熱伝導
温度が異なる物体が接しているとき、高温の物体から低温の物体へ熱が移動する現象。
対流
液体や気体の温度が場所によって異なる場合、温度の高い部分が上へ移動し、温度の低い部分は下へ移動する。このようにして熱が運ばれる現象。
熱放射
高温の物体は光や赤外線を出す。すると光や赤外線を受け取った物体は熱をうけとり温度が上昇する。このような現象を熱放射という。
化石燃料
石油、石炭、天然ガスのこと。
これらは太古に生きていた動植物の有機物が長い年月の間に変化してできたものと考えられている。
放射線
原子核の反応によって発生するアルファ線、ベータ線、ガンマ線や、電磁波のx線などのこと。非常に大きなエネルギーを持っている。