化学変化とイオン
電解質
水に溶かしたとき、電離する物質。
電解質水溶液は電流を通し、それによって電気分解される。
電解質の例・・・塩化銅CuCl2、水酸化ナトリウムNaOH、塩化水素HCl、塩化ナトリウムNaClなど
非電解質
水に溶かしても電離せず、水溶液は電気を通さない物質。
非電解質の例・・・エタノール、砂糖など
原子核
原子の中に1つあり、陽子と中性子でできている。
陽子が+の電気を帯びているので原子核は+の電気を帯びている。
→原子の構造
原子の構造
原子はプラスの電気を持った原子核の周りに、 マイナスの電気を持った電子がある。 さらに原子核はプラスの電気を持った陽子と電気を もたない中性子からできている。 これらの電子、陽子、中性子の数は原子の種類によって 異なるが、1つの原子の中にある電子と陽子は同数である。
電子の持つ-の電気の量と陽子の持つ+の電気の量は等しいので原子全体では電気的に中性となっている。
陽子
原子核を構成する+の電気を帯びた粒子。
原子の種類によって陽子の数は決まっている。
陽子1個と電子1個の電気量は等しく、原子の中の陽子と電子の数は等しい。
→原子の構造
中性子
原子核を構成する電気を帯びていない粒子。
→原子の構造
イオン
原子が電気を帯びたもの。
原子は、原子核の周りに電子が存在する構造になっている(原子の構造)。ところが、 その種類によって電子を失いやすいものや、逆に電子を受け取りやすいものがある。 通常原子は電気的に中性なので、電子(−)を失うとプラスに帯電し、電子(−)を受け取るとマイナスに帯電する。
プラスに帯電したものを陽イオン、マイナスに帯電したものを陰イオンという。
水素イオン
H+
水素原子から電子が1つ失われた、1価の陽イオン。
電離した時に水素イオンが生じる電解質を酸という。
銅イオン
Cu2+
銅原子から電子が2つ失われた、2価の陽イオン。
塩化物イオン
Cl−
塩素原子が電子を1つ受け取った、1価の陰イオン。
水酸化物イオン
OH−
OとHが結合した原子団が電子1つを受け取った1価の陰イオンで、多原子イオンである。
多原子イオン
複数の原子がひとかたまりになって1つのイオンとしてはたらく。
NH4+アンモニウムイオン、OH−水酸化物イオン、NO3−硝酸イオン、SO42−硫酸イオンなどがある。
硫酸イオン
SO42−
多原子イオンで、2価の陰イオン。
イオン化傾向
金属の原子が陽イオンになろうとする性質。
金属の種類によってイオン化傾向に程度の違いがある。
2種類の金属を使って電池(化学電池)を作る場合、イオン化傾向の大きいものが陰極になる。
K>Ca>Na>Mg>Zn>Fe>Cu>Ag>Au(左が大きい)
陰イオン
原子が電子を受け取って-に帯電したイオン。
例・・・塩化物イオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン
陽イオン
原子が電子を失って+に帯電したイオン。
例・・・水素イオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、銅イオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、バリウムイオン
イオン式
イオンを原子の記号などで表した式。
例) 水素イオンH+、 塩化物イオンCl−、 銅イオンCu2+
電離
電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに別れること。
例)塩化水素(HCl)は水に溶けると水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl−)にわかれる。
電離式
電解質が電離するようすを化学式とイオン式で表したもの
例・・・NaOH→Na+ + OH−
電池(化学電池)
化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す装置。
化学電池は2種類の金属を電解質水溶液にいれて、イオン化傾向の違いによって電流を取り出す。
一度放電すると使えなくなるものを一次電池、充電して使えるものを二次電池という。
燃料電池
水の電気分解と逆の反応(水素と酸素が反応して水ができる)を利用して電気エネルギーを取り出す電池。
一次電池
充電できない電池。アルカリマンガン電池、リチウム電池など。
二次電池
充電できる電池。鉛蓄電池、リチウムイオン電池など。
酸
水に溶かすと電離して水素イオンH+を生じる物質。
→酸性
酸性
酸を溶かした水溶液の性質。
pHが7より小さい。リトマスを青から赤、BTBを黄色にする。
亜鉛などの金属を溶かして水素を発生する。
酸性のもとになっているのは水溶液中の水素イオンのはたらきである。
アルカリ
水に溶かすと電離して水酸化物イオンOH-を生じる物質。
→アルカリ性
アルカリ性
アルカリを溶かした水溶液の性質。
pHが7より大きい。リトマスを赤から青、BTBを青にする。
アルカリ性のもとになっているのは水溶液中の水酸化物イオンのはたらきである。
BTB溶液
酸性、中性、アルカリ性を検出する指示薬。
酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色を示す。
pH試験紙
酸性、中性、アルカリ性を検出する指示薬。
酸性は赤から黄色、中性は緑色、アルカリ性は青色を示す。
フェノールフタレイン溶液
アルカリ性を検出する指示薬。
酸性や中性では無色透明でアルカリ性で赤くなる。
pH
酸性、アルカリ性の強弱を表す数値。ピーエイチ。
中性で7。
7より小さいと酸性で数値が小さいほど酸性が強くなる。
7より大きいとアルカリ性で、数値が大きいほどアルカリ性が強くなる。
中性
酸性でもアルカリ性でもない水溶液の性質。
pHが7、BTB溶液が緑色になる。
中和
酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜた時に互いの性質を打ち消し合う反応。
酸の水素イオンとアルカリの水酸化物イオンで水ができる。H++OH-→H2O
また、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついた物質を塩(えん)という。
水溶液に含まれる水素イオンと水酸化物イオンの数が同じ時にちょうど中性になる。
例)塩酸と水酸化ナトリウム
HCl+NaOH→NaCl+H2O
塩(えん)
アルカリの陽イオンと酸の陰イオンが結びついてできた物質のこと。
アルカリと酸をまぜると中和して水と塩(えん)ができる。
例)H2SO4+Ba(OH)2→BaSO4+2H2O・・・BaSO4硫酸バリウムが塩(えん)