生命の連続性
根冠
根の先端にあり、成長点をおおっている帽子状の組織。根の成長点を保護する役割がある。
→根の先端付近
根の先端付近
植物では根や茎の先端付近で細胞分裂がさかんである。最も細胞分裂の盛んな部分を成長点という。 根の先端では成長点を保護する根冠という組織がある。成長点で分裂した細胞は一つ一つの大きさがしだいに大きくなる。 そのため、成長点付近では細胞の大きさが小さく、根の上の方にいくにしたがい大きくなる。
細胞分裂
1つの細胞が分かれて2つになること。
一般的な体を作っている細胞(体細胞)で行われる普通の細胞分裂である体細胞分裂と、生殖細胞をつくる特別な細胞分裂の減数分裂がある。
体細胞分裂
体細胞で行われる一般的な細胞分裂。
まず先に核が分裂してから細胞質が分裂する。このとき染色体は複製されて、分裂してできる新たな細胞にそれぞれ入るので、分裂前の細胞の染色体の数と、分裂後のそれぞれの細胞の染色体の数は同じになる。
体細胞
生物の体の細胞のうち、生殖細胞以外のもの。
減数分裂
生殖細胞をつくるときの細胞分裂。
このときは体細胞分裂と違い分裂後の細胞(生殖細胞)の染色体数は体細胞の半分になる。
成長点
植物の根や茎の先端付近でとくに細胞分裂がさかんなところ。
→根の先端付近
染色体
細胞分裂のときに核に現れるひも状のもの。
遺伝子の集合体。酢酸オルセイン溶液などによく染まる。
酢酸オルセイン溶液
酢酸カーミン溶液、酢酸ダーリア溶液などとともに核、染色体を赤紫色に染める染色液。細胞分裂などの観察に用いられる。
生殖
生物が自分と同じ種類の新しい個体をつくり、子孫をのこすこと。
有性生殖と無性生殖がある。
無性生殖
雌雄の性に関係ない生殖で、親の体の一部がそのまま子になる。
単細胞生物の分裂や、植物の栄養生殖などがある。有性生殖との大きな違いは、親と子の遺伝子がまったく同じなので親の形質がそのまま子に伝わることである。
栄養生殖
無性生殖のひとつ。植物ではいも、むかご、球根、さし木など体の一部から芽が出てそのまま育って根茎葉のそろった個体になる。
有性生殖
雌と雄がかかわって子孫をつくる生殖。
卵(らん)と精子または卵細胞と精細胞により受精がおこなわれ、受精卵から胚そして成体になる。有性生殖では両親の遺伝子を半分ずつ受け継ぐ。
生殖細胞
生殖のための特別な細胞。
減数分裂によってつくられ、染色体の数が体細胞の半分である。雄の生殖細胞は精子または精細胞、雌の生殖細胞はと卵(らん)または卵細胞である。
卵(らん)
雌の生殖細胞。
動物では雌の卵巣で卵(らん)がつくられる。
卵細胞
雌の生殖細胞。
種子植物では胚珠の中にある。
精子
雄の生殖細胞。
動物では雄の精巣でつくられる。
精細胞
雄の生殖細胞。
種子植物では花粉の中にある。
受精
精子(精細胞)の核と卵(卵細胞)の核が合体すること。
受精後受精卵が体細胞分裂して胚となり、さらに体細胞分裂を繰り返し生物のからだができていく。
受精卵
受精してできた新しい1つの細胞。
染色体数は体細胞と同じ。
体細胞分裂をして胚になる。
胚
受精卵が体細胞分裂してから成体または幼生になる前の段階のもの。
動物では普通自ら食物を食べる前までを指す。哺乳類では胎児のこと。
発生
受精卵が体細胞分裂して胚を経て成体になるまでの過程のこと。
花粉管
花粉がめしべの柱頭につくと伸ばす管。
花粉管は胚珠のなかの卵細胞まで達し、花粉管のなかを精細胞が移動して受精が行われる。
形質
生物のもつ形や性質の特徴。
遺伝
親のもつ形質が子やそれ以後の世代に受け継がれること。
遺伝子
遺伝する形質のもととなるもの。
細胞の核内の染色体にあり、細胞分裂のときに複製される。遺伝子の本体はDNAである。
遺伝子は親から子へ伝えられるが、無性生殖では親と全く同じ遺伝子を受け継ぎ、有性生殖では両親から半分ずつ受け継ぐ。
純系
遺伝的に均一な個体。
対立遺伝子が同一である。自家受粉をくりかえしてもおなじ形質しか現れない。
自家受粉
花粉が同じ個体のめしべの柱頭につくこと。
自家受精
同じ個体の生殖細胞どうしの受精。
対立形質
ある形質について、同時には現れない2つの形質。
対立形質は顕性形質と潜性形質が対になっており、発現するほうが顕性形質で発現しないほうが潜性形質である。
優性の法則
対立形質をもつ純系どうしをかけあわせたとき、子には親の一方の形質のみが現れる。
顕性形質
対立形質を持つ親をかけあわせたとき、子に現れる形質。
潜性形質
対立形質をもつ親をかけあわせたとき、子に現れない形質。
分離の法則
減数分裂で対になっている遺伝子が分かれて別々の生殖細胞に入ること。
DNA
デオキシリボ核酸。遺伝子を構成する物質。ほとんどの単細胞生物と多細胞生物が持っている。
メンデル
19世紀オーストリアの生物学者。エンドウで遺伝の実験を行いメンデルの法則(優性の法則、分離の法則、独立の法則)を発見した。
クローン
無性生殖の親と子のように同一の遺伝子を持つ個体の集団。