化学変化と質量3(発展)
次の2つの実験について各問に答えよ。
ビーカーの中にうすい塩酸を40cm3いれて質量を測ったら120.0gだった。
この中にマグネシウム2.4gを入れると気体が発生した。気体の発生が
止まった後、ビーカー全体の質量を測った。
マグネシウムの質量を 4.8g, 7.2g, 9.6g, 12.0gと変えて同様の実験を行った。
実験の結果をまとめたものが下の表である。
マグネシウムの質量(g)2.44.87.29.612.0実験後のビーカー全体の質量(g)122.2124.4126.6128.9131.3
マグネシウムの粉末を10.0gのステンレス皿に入れ、ガスバーナーで加熱し、完全に酸化させた後に
皿全体の質量をはかった。表はその結果をまとめたものである。
加熱前のマグネシウムと皿の質量(g)10.610.911.211.511.8加熱後の皿全体の質量(g)1111.51212.513.0
2HCl+Mg→MgCl2+H28.4g1.4g2.0g
2Mg+O2→2MgO白色1.7g
1:16
(1)
マグネシウムと塩酸は何対何で反応し、それに対して塩化マグネシウムと水素がどれだけ発生するか。
この比を実験結果から導く。
実験結果の表を見るときに重要なのは発生する気体の質量である。
これが1回めの実験前のビーカー全体の質量である。
実験後のビーカー全体の質量は122.2gなので発生した気体は0.2gである。
同様に各回の実験について表に表す。↓ ビーカー+塩酸120.0120.0120.0120.0120.0マグネシウム2.44.87.29.612.0実験前のビーカー全体122.4124.8127.2129.6132.0実験後のビーカー全体122.2124.4126.6128.9131.3発生した水素0.20.40.60.70.7 1回目に比べて2回目、2回目に比べて3回目、3回目に比べて4回目と発生する水素が増えているので、
1,2,3回目まではマグネシウムが全て溶けたことがわかる。
つまりマグネシウムと水素の比は2.4:0.2=12:1である。
4回目以降の実験で発生した水素が0.7gから増えていないので、塩酸40cm3が
すべて使われた時に発生する水素が0.7gだとわかる。
マグネシウムと水素の比は12:1なので、水素0.7gが発生するときのマグネシウムをxとすると
12:1=x:0.7
x=8.4
したがって、塩酸40cm3とマグネシウム8.4gが過不足無く反応し水素0.7gが発生する。 ① マグネシウムに塩酸をかけると塩化マグネシウムになり、水素が発生する。
Mg+2HCl→H2+MgCl2
② 上記説明の通り 8.4g
③,④では塩酸とマグネシウムの比が40:8.4になっていないので
どちらがあまるのか確認し、マグネシウムが何g溶けるのか調べる。
③ 塩酸80cm3で溶かすことのできるマグネシウムをxとすると
40:8.4=80:x
x=16.8
つまり、80cm3の塩酸に、18.0gのマグネシウムを入れると
塩酸が全て使われ、マグネシウムは16.8g溶けて1.2gが溶け残る。
発生する水素をyとすると
12:1=16.8:y
y=1.4
④ 塩酸120cm3で溶かすことのできるマグネシウムをxとすると
40:8.4=120:x
x=25.2
つまり、120cm3の塩酸に、24.0gのマグネシウムを入れると
塩酸は全て使われず、マグネシウム24.0gがすべて溶ける。
そこで発生する水素をyとすると
12:1=24:y
y=2
化学変化 要点の解説
原子分子 化学反応式 分解、化合 酸化と還元、エネルギー 化学変化と質量1 化学変化と質量2
化学変化 問題
チェックテスト
原子・分子 化学反応式 分解・化合 酸化・還元・化学エネルギー
基本問題
原子・分子 化学反応式 酸化・還元、化学変化と熱 酸化と還元2 硫黄と鉄の反応 化学変化と実験1 化学変化と実験2 化学変化と実験3 化学変化と質量
標準問題
酸化 化学変化と実験4 化学変化と実験5 化学変化と実験6 化学変化と質量2 化学変化と質量3
選択問題
原子・分子 炭酸水素ナトリウムの熱分解 酸化銀の熱分解 電気分解 酸化還元 化学エネルギー