LastUpDate 2023/09/25
化学変化と質量_塩酸と石灰石
【例題】 化学変化の前後で物質全体の質量がどのようになるか調べるために、次の実験を行った。あとの各問いに答えなさい。
【実験】 うすい塩酸18㎝
3
が入ったビーカー全体の質量をはかると64.10gだった。粉末状の石灰石0.50gを入れると反応し気体が発生した。反応が完全に終わった後ビーカー全体の質量をはかると64.38gだった。
同じ濃度のうすい塩酸18cm
3
を用いて、石灰石の質量を1.00g, 1.50g, 2.00g, 2.50gと変えて同じ実験を繰り返した。
実験の結果をまとめたものが下の表である。
①
②
③
④
⑤
うすい塩酸(cm
3
)
18
18
18
18
18
石灰石(g)
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
反応前のビーカー全体(g)
64.10
64.10
64.1
64.10
64.10
反応後のビーカー全体(g)
64.38
64.66
64.94
65.44
65.94
(1) ①〜⑤の実験のうち、石灰石が溶け残ったのはどの実験か。全て答えよ。
(2) ⑤の実験で溶け残った石灰石をすべて溶かすためには、この実験で使用したうすい塩酸が少なくとも何cm
3
必要か。
(3) この実験で使用したうすい塩酸25cm
3
に、石灰石2.00gを入れた場合、発生する気体は何gか。
解答・解説
【ポイント】
過不足無く反応するときの物質の質量比
増えた気体の質量
(1)
①で反応前のビーカー全体の質量が64.10g, 石灰石が0.50g,そこから反応後のビーカー全体64.38gを引くと、
64.10 + 0.50 - 64.38 = 0.22
この減った質量0.22gは発生した気体の質量である。
②で石灰石を増やしても気体が発生していることから、①では石灰石0.50gは全部溶けたとわかる。
つまり、0.50gの石灰石が全部溶けると気体0.22gが発生する。質量比25:11である。
また、それぞれの実験で気体の質量を出すと ②0.44g, ③0.66g, ④0.66g, ⑤0.66g
③では石灰石1.50gに対して気体0.66g、これは質量比25:11だが、④⑤では増えておらず、質量比も異なっている。 つまり、③で塩酸と石灰石が過不足なく反応し、④⑤では石灰石が溶け残っている。
答 ④⑤
(2)
③で塩酸と石灰石が過不足なく反応しているので、うすい塩酸18cm
3
に対して溶ける石灰石は1.50gである。
よって⑤では2.50-1.50=1.00 の石灰石が溶け残っている。
これを溶かすうすい塩酸をxとすると 18:1.5 = x:1
これを解いてx =12
答 12cm
3
(3)
塩酸25cm
3
と石灰石2.00gは 過不足なく反応するときの比 18:1.5と異なるので、どちらかが余ることになる。
石灰石2.00gと過不足なく反応するうすい塩酸をycm
3
とすると
18:1.5 = y:2
1.5y = 35
y =24
つまり2.00gの石灰水を溶かすのに必要なうすい塩酸は24cm
3
なので25cm
3
では余ってしまう。
石灰石2.00gがすべて溶けた時に発生する気体をzgとすると
25:11 = 2: z
25z = 22
z = 0.88
答 0.88g
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