電気分解、電池
電気分解
電解質水溶液に電流を流すと
陰イオンは陽極に引きつけられ、陽イオンは陰極に引きつけられて移動する。
塩酸
【電離式】HCl→H+ + Cl−
水素イオン(H+)
陽イオン(+)なので陰極(−)に引きつけられて移動する。
陰極から電子1個受け取って水素原子になる。
その水素原子が2個くっついて水素分子になって発生する。
塩化物イオン(Cl−)
陰イオン(−)なので陽極(+)に引きつけられて移動する。
陽極に電子を1個わたして塩素原子になる。
その塩素原子が2個くっついて塩素分子になって発生する。
化学反応式
塩化水素→水素+塩素
2HCl → H2 + Cl2
※水素と塩素は発生する体積は同じだが、
塩素は水に溶けやすいので
集まる体積は塩素が少ない。
塩化銅水溶液
【電離式】CuCl2 → Cu2+ + 2Cl−
銅イオン(Cu2+)
陽イオン(+)なので陰極(−)に引きつけられて移動する。
陰極から電子を2個受け取って銅原子になり陰極に付着する(赤かっ色)
塩化物イオン(Cl−)
陰イオン(−)なので陽極(+)に引きつけられて移動する。
陽極に電子を1個わたして塩素原子になる。
その塩素原子が2個くっついて塩素分子になって発生する。
化学反応式
塩化銅→銅+塩素
CuCl2 → Cu + Cl2
※ 塩化銅水溶液は青色である。これは銅イオンの色なので、
電気分解が続いて銅イオンが減少すると青色は薄くなっていく。
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電池(化学電池)
化学エネルギーを電気エネルギーに変えて取り出す装置を電池(化学電池)という。
電池には2種類の金属と電解質水溶液が必要である。
うすい硫酸に亜鉛板と銅板を入れた電池
亜鉛板では、亜鉛原子が電子を2個失って亜鉛イオン(Zn2+)になりうすい硫酸中へ溶け出す。
その亜鉛板の電子が導線を通って銅板へ移動する。←この電子の流れが電流の正体!!
銅板にやってきた電子を、うすい硫酸中の水素イオン(H+)が受け取って水素原子となり、それが2個で水素分子になって発生する。
亜鉛板から銅板へと電子が移動していくので亜鉛板が陰極(−)になる。
その亜鉛板では亜鉛がイオンとなって溶け出すので電極がボロボロになっていく。
銅板(陽極)では水素が発生する。
金属と電極
金属は種類によって陽イオンへのなりやすさが異なる。(イオン化傾向)
2種類の金属のうち陽イオンになりやすいほうが、電解質水溶液中に溶け出すので陰極になる。
陽イオンになりやすい ⇐ Na Mg Zn Fe Cu Ag ⇒なりにくい
いろいろな電池
充電できない電池(一次電池)
マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池(アルカリ電池)、リチウム電池、酸化銀電池など
充電できる電池(二次電池)
鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池など
燃料電池
水の電気分解の逆の化学変化を利用して電気エネルギーを取り出す装置
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基本事項の確認
電解質水溶液に電流を流すと陰イオンは陽極に引きつけられ、陽イオンは陰極に引きつけられて移動する
陽イオンは陰極から電子を受け取って原子になる。
陰イオンは陽極に電子をわたして原子になる。
塩酸を電気分解すると、陰極に発生する気体が水素、陽極に発生する気体が塩素である。
塩酸を電気分解したときに、陰極と陽極に発生する気体の体積は同じだが、塩素は水に溶けやすいので集まる体積が少なくなる。
塩素は黄緑色で刺激臭がある空気より重い気体である。水に溶けやすく、有毒で殺菌作用、漂白作用がある。
塩化銅水溶液を電気分解すると、陰極には銅が、陽極には塩素が発生する。
塩化銅水溶液の青色は銅イオンの色である。
電気分解を続けていくと塩化銅水溶液の青色は薄くなっていく。
化学エネルギーを電気エネルギーに変えて取り出す装置を電池または化学電池という。
電池には2種類の金属と電解質水溶液が必要である。
うすい硫酸に亜鉛板と銅板を入れて電池を作ると、亜鉛版が陰極、銅版が陽極になる。
うすい硫酸に亜鉛板と銅板を入れて電池を作ると、陽極に水素が発生する。
金属は種類によって陽イオンへのなりやすさが異なり、2種類の金属のうち陽イオンになりやすいほうが、陰極になる。
充電できない電池を一次電池という。
充電できる電池を二次電池という。
水の電気分解の逆の化学変化を利用して電気エネルギーを取り出す装置が燃料電池である。
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