湿度
空気中の水
液体の水が状態変化して気体のなったものが水蒸気である。水は沸騰しなくとも、常温で蒸発して水蒸気になり、
空気中に含まれている。水蒸気は目に見えないが、我々のまわりの空気には水蒸気が存在する。
水を加熱したときに目に見える湯気は、小さな水滴(液体)で
雲や霧もこれと同じく小さな水滴が空気中に浮かんだものである。
飽和水蒸気量
水は蒸発すると気体の水蒸気となって空気の中に入っていくが、一定の体積の空気中に含むことのできる水蒸気の量には限界がある。
空気1m3に含むことのできる最大の水蒸気の量を飽和水蒸気量という。
飽和水蒸気量は気温が下がるほど小さくなる。
露点
飽和水蒸気量は気温が下がるほど小さくなるので、水蒸気を含んだ空気の気温が下がると、水蒸気量が限界を超えてしまう。
限界を超えると空気中に水蒸気としてとどまれずに、水滴となって出てくる。この現象を凝結といい、
水滴のできはじめる温度を露点という。
現在の空気に含まれる水蒸気量は
露点の飽和水蒸気量と同じ量である。
夏の暑い日、冷たい飲み物のコップに水滴がつくのは?
コップの周りの空気が冷やされて露点より低い温度になり限界を超えた水蒸気が水滴となるから。
冬の寒い日に、部屋が暖かいと窓の内側に水滴がつくのも同様の現象である。
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湿度を求める
湿度とは
空気中の水蒸気量が、飽和水蒸気量に対してどれだけの割合かを%で表したものを湿度といい、空気がどれくらい湿っているかを示す。
湿度(%)=
空気(1m3)中の水蒸気量(g)
飽和水蒸気量(g)
×100
湿度計算問題
【例題1】
空気1m3中に含まれる水蒸気量が3.2gで飽和水蒸気量が12.8gのときの湿度を求めよ。
気温26℃で、空気1m3中に含まれる水蒸気量が5.6gのときの湿度を求めよ。
①
湿度(%)=
空気(1m3)中の水蒸気量(g)
飽和水蒸気量(g)
×100
にあてはめると3.212.8×100=25
【答】25%
②
気温がわかっている場合は、気温と飽和水蒸気量の表(下記)から飽和水蒸気量をもとめる。
気温26℃の飽和水蒸気量は表より24.4g
よって湿度は5.624.4×100=22.95…≒23
【答】23%
表 気温と飽和水蒸気量
温度(℃)飽和水蒸気量(g)04.825.646.467.388.3109.41210.71412.1
温度(℃)飽和水蒸気量(g)1613.61815.42017.32219.42421.82624.42827.23030.4
【練習】割り切れないときは小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。
(1)気温22℃の空気1m3の中に6.4gの水蒸気が含まれている。
露点は何℃か。4℃
湿度は何%か。33%
(2)気温30℃、露点10℃の空気の湿度を求めよ。31%
【例題2】
気温26℃、湿度75%の空気1m3中には水蒸気が何g含まれているか。
気温28℃、湿度50%の空気の露点は何℃か。
①
公式を変形すると 空気(1m3)中の水蒸気量 = 飽和水蒸気量×湿度100である。
気温26℃の飽和水蒸気量は表より24.4gなので24.4×75100=18.3
【答】18.3g
②
気温28℃の飽和水蒸気量は表より27.2gなので、空気1m3中の水蒸気量は27.2×50100=13.6g
表を見ると、13.6gは16℃の飽和水蒸気量である。
現在の空気1m3に含まれる水蒸気量は露点の飽和水蒸気量と同じ
なので、露点は16℃となる。
【答】16℃
【練習】質量(g)は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で答えよ。
(1)気温20℃で湿度37%の空気がある。
1m3中の水蒸気量は何gか。6.4g
露点は何℃か。4℃
(2)気温16℃、湿度61%の空気の露点を求めよ。8℃
【例題3】
気温30℃、湿度75%の空気を14℃まで冷やすと、1m3中、何gの水滴が生じるか。
気温22℃の空気を2℃まで冷やすと、1m3中、4.1gの水滴が生じた。冷やす前の空気の湿度を求めよ。
①
30℃の飽和水蒸気量は30.4gなので現在空気1m3中30.4×75100=22.8g
の水蒸気が含まれている。
14℃の飽和水蒸気量は12.1gなので、現在の空気にはそれ以上の水蒸気が含まれていることになる。
飽和水蒸気量を超えた分の水蒸気は凝結し水滴が生じるので
22.8-12.1=10.7
【答】10.7g
②
2℃の飽和水蒸気量は5.6gである。4.1gの水滴が生じているので5.6+4.1=9.7gの水蒸気がもとの空気に含まれていたことがわかる。
22℃の飽和水蒸気量は19.4gなので9.719.4×100=50
【答】50%
【練習】質量(g)は、小数第2位を四捨五入して小数第1位で答えよ。湿度(%)は小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。
(1)気温14℃、湿度60%の空気について
1m3中の水蒸気量を求めよ。7.3g
この空気を1℃まで冷やすと1m3について何gの水滴が生じるか。2.1g
(2)気温18℃の空気を6℃まで冷やすと1m3につき1.8gの水滴が生じた。もとの空気の湿度を求めよ。59%
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