力のつりあい、合成・分解

力のつりあい

物体に2力がはたらいていて、物体が静止している場合、これらの2力は「つりあっている」という。

2力のつりあう条件

①2力は同じ大きさである。
②2力の向きが反対である。
③2力は同一直線上にある。

【例】
床や机など水平な面に物体を置いた場合、物体に働く重力と抗力(垂直抗力)がつりあっている。
抗力とは変形した床や机の面がもとにもどろうとする力である。
物体重力抗力
水平面に置いてある物体を動かそうと力を加えても動かない場合、物体を動かそうとする力と摩擦力がつりあっている。
摩擦力とは物体どうしがふれあっているとき、運動しようとする向きと反対の方向にはたらく力である。
物体物体をひく力摩擦力

例題
//グラデーション天井ひもおもりABCDE 図のように天井にひもをつけて、ひもの先におもりがぶらさがって静止している。ひもの重さは非常に軽く無視できるものとする。
図に示されている力は
A 天井がひもをひく力 B ひもが天井をひく力 C ひもがおもりをひく力 D おもりがひもをひく力 E おもりにかかる重力
である。
E(おもりにかかる重力)とつりあっている力を記号で答えよ。 ①以外につりあいの関係にある2力の組を記号で答えよ。
  答①C ②AとD

 

つりあう2力とは1つの物体にはたらく2力です。 図では天井、ひも、おもりの3つの物体がありますが、すべて静止しているので
それぞれの物体にかかる力はつりあっているはずです。 そこでそれぞれの物体にかかる力を整理すると、
天井にかかる力・・・Bひもが天井をひく力
ひもにかかる力・・・A天井がひもをひく力、Dおもりがひもをひく力
おもりにかかる力・・・Cひもがおもりをひく力、Eおもりにかかる重力
よって、ひもにかかる2力AとD、おもりにかかる2力CとEがそれぞれつりあいの関係になっています。
 ※天井にかかるBにもつりあう力は当然ありますが、この図の中には出てきていません。

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力の合成

2つの力と同じはたらきの1つの力をもとの2力の合力という。
合力を求めることを力の合成という。

一直線上ではたらく2力の合成

同じ方向なら和、反対方向なら差になる。
【例】
F1は右向き、大きさ3N,
F2は右向き、大きさ2Nである。
F1とF2の合力は右向きで大きさ5Nになる。
FF合力12
【例】
F1は左向き、大きさ5N,
F2は右向き、大きさ2N,
F1とF2の合力は左向きで大きさ3Nになる。
FF合力12

角度を持ってはたらく2力の合成

一直線上にない2力を合成するには
2力を2辺とする平行四辺形を作る。その平行四辺形の対角線が2力の合力になる。

【例】F1とF2の合力を作図する。
F1に平行でF2の矢印の先端を通る直線をひく。
F2に平行でF1の矢印の先端を通る直線をひく。
平行線の対角線が合力になる。
合力FF12

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力の分解

1つの力を2つに分けること、つまり力の合成の逆が力の分解である。
分けられてできた2力を分力といい、この2力でもとの1つの力と同じはたらきになる。

分解のしかた

力の合成ではもとの2力が平行四辺形の2辺として、対角線が合力だった。力の分解はその逆なのでもとの力を対角線とする平行四辺形の2辺が分力となる。 対角線から平行四辺形をつくる場合、辺の角度を変えることで何通りもできる。つまり力の分解は分力の方向によって何通りもできることになる。
力を分解するには
もとの力を対角線とする平行四辺形を作る。その平行四辺形の2辺が分力になる。
また、分解する方向によって何通りにも分解できる。

【例】それぞれのFを点線の方向に分解する。
それぞれの点線と平行な直線をFの矢印の先端を通るようにひく。
点Oから点線の交点まで矢印をかく
OOFF

上記の例のようにもとの力が同じ大きさでも、広い角度で分解したほうが分力は大きくなる。


基本事項の確認

物体に2力がはたらいていて、物体が静止している場合、これらの2力はつりあっているという。 床や机など水平な面に物体を置いた場合、物体に働く重力と抗力(垂直抗力)がつりあっている。 抗力とは変形した床や机の面がもとにもどろうとする力である。 水平面に置いてある物体を動かそうと力を加えても動かない場合、物体を動かそうとする力と摩擦力がつりあっている。 摩擦力とは物体どうしがふれあっているとき、運動しようとする向きと反対の方向にはたらく力である。 2つの力と同じはたらきの1つの力をもとの2力の合力という。 合力を求めることを力の合成という。 一直線上ではたらく2力を合成する場合、同じ方向なら、反対方向ならになる。 一直線上にない2力を合成する場合、2力を2辺とする平行四辺形の対角線が2力の合力になる。 1つの力を2つに分けることを力の分解という。 分けられてできた2力を分力といい、この2力でもとの1つの力と同じはたらきになる。 力の分解はもとの力を対角線とする平行四辺形の2辺が分力となる。 対角線から平行四辺形をつくる場合、辺の角度を変えることで何通りもできるので力の分解は分力の方向によって何通りもできる。 もとの力が同じ大きさでも、広い角度で分解したほうが分力は大きくなる

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