力のはたらき
物体を変形させる
物体を支える
物体の動き(速さや向き)を変える
力は目に見えないため、物体が変形したり、支えられたり、動きを変えたりしていればその物体に力が働いていることがわかる。
弾性力
ゴムやバネなどは伸ばしたらもとに戻ろうとする力がはたらく。
ゴムやバネだけに限らず変形した物体がもとへもどろうとする力を弾性力という。
重力地球上の物体はすべて地球から、地球の中心向きに力を受けている。地球が、物体を地球の中心に向かって引く力のことを重力という。
抗力(垂直抗力)地球には重力があるにもかかわらず、机や床の上に置いた物体は静止している。
これは机や床が物体を支えているからである。
机の上や床の上に置かれた物体を支える力が垂直抗力である。垂直抗力は物体を面に垂直に押し返すようにはたらく。
摩擦力
机や床の上に置いた物体を小さな力で横に押しても動かなかったり、床の上を勢いよく滑らせてもすぐに止まってしまう。これは物体の運動を妨げる方向に摩擦力がはたらいているからである。
磁力
磁石のN極とS極は引き合い、N極どうしやS極どうしではしりぞけあう。このような力を磁力(磁石の力)という。
電気の力
電気にはプラスとマイナスがあり、磁力と同じように異なる電気どうし(プラスとマイナス)では引き合い、おなじ電気どうしではしりぞけあう。
重力や磁力、電気の力は離れていて働く力である。
力の単位を表すにはニュートン(N)が用いられる。
100gの物体に働く重力の大きさは約1Nである。
質量とは 物体そのものの量のことで、単位はkg, gを用いる。
質量は物体そのものの量なので、ある物体の質量は場所にかかわらずどこでも同じである。
重さとは物体にはたらく重力の大きさのことで、単位にはNを用いる。
重力は地球が物体を引く力なので、地球以外の月などで物体の重さをはかると地球ではかった重さとは異なる。
重さ(N)・・・物体にはたらく重力の大きさ, ばねばかりではかる。 月面では地球上の
1
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質量(g)・・・物体そのものの量。 上皿てんびんではかる。 月面でも地球上でも同じ。
ばねののびは、バネを引く力のおおきさに比例する、これを「フックの法則」という。フックの法則によりバネののびから
力の大きさをはかることができる。(ばねばかり)
フックの法則
ばねののびは、ばねを引く力の大きさに比例する
【例】
ばねに0.8Nのおもりをつるしたとき、のびが2cmだった。
1.0Nのおもりをつるしたときののびは何cmか。
0.8Nのとき2cmなので、1Nのときxcmとすると
0.8:1=2:x
0.8x=2
x=2.5
答 2.5cm
あるおもりをつるしたら、のびが1.5cmだった。このおもりは何Nか。
0.8Nのとき2cmなので、あるおもりの重さをxNにすると
0.8:x=2:1.5
2x=0.8×1.5
x=0.6
答 0.6N
答表示ゴムやバネなどのように変形した物体がもとへもどろうとする力を弾性力という。 地球が、物体をその中心に向かって引く力のことを重力という。 机の上や床の上に置かれた物体を支える力が垂直抗力である。 机や床の上に置いた物体を小さな力で横に押しても動かなかったり、床の上を勢いよく滑らせてもすぐに止まってしまう。これは物体の運動を妨げる方向に摩擦力がはたらいているからである。 磁石のN極とS極は引き合い、N極どうしやS極どうしではしりぞけあう。このような力を磁力(磁石の力)という。 力の単位を表すにはニュートン(N)が用いられる。 100gの物体に働く重力の大きさは約1Nである。 質量とは 物体そのものの量のことで、1つの物体であれば場所にかかわらずどこでも同じである。 重さとは物体にはたらく重力の大きさのことである。 ばねののびは、バネを引く力のおおきさに比例する、これを「フックの法則」という。
力はその大きさが同じでも、力の働く場所や、力を加える向きによってそのはたらきが異なるので、同じ力とはいえない。
そのため力を表す場合、力の大きさと、はたらく点、力の向きをはっきり示す必要がある。
力の「大きさ」、「向き」「はたらく点」(作用点)を力の三要素という。
三要素を表す必要があるので、力を表すには矢印が用いられる。矢印の長さで大きさを表し、矢印の向きが力の向き、そして矢印の始点が作用点を表す。
力の三要素
作用点(力のはたらく点)、大きさ、向き
力は矢印で表す・・・力の大きさだけなら数字で表すことができるが、作用点、向きもふくめて表すために矢印が用いられる。
ばねばかりがおもりを引く力
おもりにかかる重力
重力のように離れてはたらく力は、作用点は物体の中心とする。
垂直抗力などのように面ではたらく力はその面の1点を作用点とする。
物体に2力がはたらいていて、物体が静止している場合、これらの2力は「つりあっている」という。
【例】
床や机など水平な面に物体を置いた場合、物体に働く重力と抗力(垂直抗力)がつりあっている。
抗力とは変形した床や机の面がもとにもどろうとする力である。
水平面に置いてある物体を動かそうと力を加えても動かない場合、物体を動かそうとする力と摩擦力がつりあっている。
摩擦力とは物体どうしがふれあっているとき、運動しようとする向きと反対の方向にはたらく力である。
例題
図のように天井にひもをつけて、ひもの先におもりがぶらさがって静止している。ひもの重さは非常に軽く無視できるものとする。
図に示されている力は
A 天井がひもをひく力
B ひもが天井をひく力
C ひもがおもりをひく力
D おもりがひもをひく力
E おもりにかかる重力
である。
E(おもりにかかる重力)とつりあっている力を記号で答えよ。
①以外につりあいの関係にある2力の組を記号で答えよ。
答①C ②AとD
つりあう2力とは1つの物体にはたらく2力です。 図では天井、ひも、おもりの3つの物体がありますが、すべて静止しているので
それぞれの物体にかかる力はつりあっているはずです。 そこでそれぞれの物体にかかる力を整理すると、
天井にかかる力・・・Bひもが天井をひく力
ひもにかかる力・・・A天井がひもをひく力、Dおもりがひもをひく力
おもりにかかる力・・・Cひもがおもりをひく力、Eおもりにかかる重力
よって、ひもにかかる2力AとD、おもりにかかる2力CとEがそれぞれつりあいの関係になっています。
※天井にかかるBにもつりあう力は当然ありますが、この図の中には出てきていません。
答表示力の「大きさ」、「向き」「はたらく点」(作用点)を力の三要素という。 「大きさ」、「向き」「はたらく点」を表す必要があるので、力を表すには矢印が用いられる。 物体に2力がはたらいていて、物体が静止している場合、これらの2力はつりあっているという。 床や机など水平な面に物体を置いた場合、物体に働く重力と抗力(垂直抗力)がつりあっている。 抗力とは変形した床や机の面がもとにもどろうとする力である。 水平面に置いてある物体を動かそうと力を加えても動かない場合、物体を動かそうとする力と摩擦力がつりあっている。 摩擦力とは物体どうしがふれあっているとき、運動しようとする向きと反対の方向にはたらく力である。
重さ磁石の力質量重力垂直抗力力力の三要素力のはたらき電気の力ニュートンフックの法則摩擦力