LastUpDate 2023/09/09

光の進み方

みずから光を出す電灯や太陽のことを光源という。
光源を出た光は、直接我々の目に届いたり、
さらに、その光が物体の表面で反射して目に届いたりする。
我々がものを見ることができるのは、
光源から出た光がそのまま目に入る場合と、
光源からの光が物体に反射して目に入る場合
とがある。

光の直進

空気、水、ガラスなど均一な物質中では光は直進する。
光源から出た光は四方八方へ広がるが、太陽は非常に遠くにあるので地球上ではほぼ平行になって進んでいる。

光の反射

光が物体に当たってはね返ることを反射という。
鏡のように表面が平らな面に光が当たるとき入射角と反射角は等しくなる。
入射光反射光反射角入射角 入射光…鏡に入ってくる光。
反射光…鏡で反射してでていく光。
入射角…鏡の面に垂直な直線と入射光との角度
反射角…鏡の面に垂直な直線と反射光との角度

※入射角、反射角は垂線との角度なのでまちがわないように。

反射の法則
光が鏡で反射するとき入射角=反射角となる。


鏡の像

物体を鏡にうつすと物体が鏡のおくにあるように見える
これは物体からの光が鏡で反射して、もとの物体と鏡に対して対称の位置から光が届くように見えるからである。
このとき鏡のおくに見えているのがである。 鏡の作図(鏡による像と光の道すじ)
A 物体Aの像は鏡の面を対称の軸とした線対称の位置にある。>>像
像から目の位置まで直線を引く。>>線
このとき鏡の面と交わった点で、物体Aからの光が反射する。>>光の道すじ
実際はAからの光が鏡に反射して目に届くが、目は光が直進してきたように認識するので物体が鏡のおくにあるように感じる


乱反射

光がでこぼこしたものに当たるといろいろな方向に反射する。これを乱反射という。
身の回りの物体の多くは、表面がなめらかに見えても拡大してみるとでこぼこしているので光があたると乱反射する。
このため光源が1つしかなくても、どの方向からも物体を見ることができる。

光の屈折

光が空気から水のようにちがう種類の物質へ進むとき、その境界面で光が折れ曲がることを屈折という。
光が境界面に対して垂直に入射するとき(入射角0°)は光は屈折せず直進するが、光が境界面に対して斜めに入射すると、 大部分は屈折して進み、一部は反射する。
境界面に垂直な線と屈折光の角度を屈折角という。

//グラデーション入射光屈折光反射光空気(またはガラス)

光が空気から水(またはガラス)に進むとき、
入射角>屈折角となる。

屈折角入射角

光が水(またはガラス)から空気に進むとき、
入射角<屈折角となる。

入射角屈折角

全反射

光が水(またはガラス)から空気中に進む場合、必ず入射角より屈折角のほうが大きいので入射角がある程度以上大きくなると光が空気中へ出て行けずにすべて反射してしまう。これを全反射という。

つねに入射角<屈折角
入射角屈折角

これが限界(屈折角が90°)
入射角屈折角

限界より大きい入射角だと
すべて反射
入射角反射角全反射

限界となる入射角は物質によってちがう(水なら約48.6°)

光ファイバー・・・全反射のしくみを使って電話線などに利用されている


要点の確認

答表示 みずから光を出す電灯や太陽のことを光源という。 我々がものを見ることができるのは、光源から出た光がそのまま目に入る場合と、光源からの光が物体に反射して目に入る場合とがある。 光源から出た光は四方八方へ広がるが、太陽は非常に遠くにあるので地球上ではほぼ平行になって進んでいる。 光が物体に当たってはね返ることを反射という。 鏡のように表面が平らな面に光が当たるとき入射角と反射角は等しくなる。 物体を鏡にうつしたとき、像は鏡に対してもとの物体と対称の位置にみえる。 光がでこぼこしたものに当たるといろいろな方向に反射する。これを乱反射という。 光が空気から水のようにちがう種類の物質へ進むとき、その境界面で光が折れ曲がることを屈折という。 境界面に垂直な線と屈折光の角度を屈折角という。 光が空気から水(またはガラス)に進むとき、入射角>屈折角となる。 光が水(またはガラス)から空気に進むとき、入射角<屈折角となる。 光が水(またはガラス)から空気中に進む場合、必ず入射角より屈折角のほうが大きいので入射角がある程度以上大きくなると光が空気中へ出て行けずにすべて反射してしまう。これを全反射という。 光ファイバーは全反射のしくみを使って電話線などに利用されている

凸レンズの性質

凸レンズとは

虫眼鏡など、ふちより中央の部分が厚くなっているレンズを凸レンズという。
凸レンズに正面から太陽光のような平行な光をあてると光は屈折して1点にあつまる。 この点を焦点という。
光軸焦点 ※光軸・・・ 凸レンズの中央を通り、
レンズの面に垂直な直線を光軸という。

焦点は光軸上にあり、 レンズの中心から焦点までの距離が焦点距離である。
焦点はレンズの両側にそれぞれ1つずつ等しい距離にある。
凸レンズはふくらみが大きいほど屈折の仕方が大きくなるので焦点距離は短くなる。

凸レンズを通る光の進み方

焦点 光軸に平行な光・・・焦点を通るように屈折する
凸レンズの中心を通る光・・・直進する

要点の確認

答表示 虫眼鏡など、ふちより中央の部分が厚くなっているレンズを凸レンズという。 凸レンズに正面から太陽光のような平行な光をあてると光は屈折して1点にあつまる。 この点を焦点という。 凸レンズの中央を通り、レンズの面に垂直な直線を光軸という。 焦点は光軸上にあり、 レンズの中心から焦点までの距離が焦点距離である。 凸レンズはふくらみが大きいほど屈折の仕方が大きくなるので焦点距離はくなる。 光軸に平行な光は焦点を通るように屈折し、凸レンズの中心を通る光は直進する

実像と虚像

実像

物体からの光がレンズを通してスクリーン上の1点に集まり、そこに像ができる。これを実像という。
実像は焦点より遠くに物体をおいた時にできる、上下左右が逆の倒立の像である。

光源からの光は四方八方に広がる。

凸レンズがあると、光源から出た光のうち、凸レンズを通った光は図のように1点に集まる。
AA'
Aから出た光はA'に集まり、Bから出た光はB',
CはC'というようにそれぞれ集まる。
 
その場所にスクリーンがあれば全体として
物体の姿が スクリーンに映る。
これを実像という。

実像の大きさや距離の変化

実像は焦点より外側にあるときに、スクリーン上にできるが、物体の位置を変えると実像の大きさや凸レンズからスクリーンまでの距離が変化する。


物体の位置が遠いほど、実像は小さくスクリーンの位置はレンズに近い。物体を近づけていくと実像の大きさはどんどん大きくなり、スクリーンの位置もレンズから遠ざかっていく。そしてちょうど焦点のところで光が集まらなくなり実像ができなくなる。


距離と大きさの関係

物体の大きさをx,物体から凸レンズまでの距離をa、焦点距離をf,凸レンズからスクリーンまでの距離をd、スクリーンに映った実像の大きさをyとする。
xyadffa=2fのとき 物体から凸レンズまでの距離が焦点距離の2倍(a=2f)のとき、
物体と実像の大きさが同じになる(x=y)、
そのときの凸レンズからスクリーンまでの距離は、
物体から凸レンズまでの距離と等しい(d=a=2f)。

xyadffa>2fのとき それより遠く(a>2f)に物体を置くと
dは短く、yは小さくなる。

ffxyada<2fのとき 焦点距離の2倍より凸レンズに近いところに物体を置くと
dは長く、yは大きくなり、
ちょうど焦点のところで実像はできなくなる。


焦点距離の2倍のところに物体を置くと、物体と同じ大きさの実像ができる。 このときレンズからスクリーンまでの距離も同じく焦点距離の2倍である。
これより遠くに物体があると、実像は小さく、レンズからスクリーンまでの距離も近い。
これより近くに物体があると、実像は大きく、レンズからスクリーンまでの距離も遠い。

虚像

焦点より内側に物体を置くと実像ができないかわり、レンズを通して物体をみると物体より大きい像が見える。これを虚像という。
虚像は光が集まってできた像ではないのでスクリーン上にうつすことはできない。
虚像は物体より大きい正立の像である。
植物の観察などで、ルーペを通して拡大して見ているのが虚像である。

物体を焦点の内側に置いたときは、凸レンズを通った光は集まらず広がっていく。
これを逆に延長して集まったところに虚像ができる
ff

要点の確認

答表示物体からの光がレンズを通してスクリーン上の1点に集まり、そこに像ができる。これを実像という。 実像は焦点より遠くに物体をおいた時にできる、上下左右が逆の倒立の像である。 焦点距離の2倍の位置に物体を置くと、物体と同じ大きさの実像ができる。 このときレンズからスクリーンまでの距離は物体からレンズまでの距離と等しい。 焦点距離の2倍より遠くに物体があると、実像は小さく、レンズからスクリーンまでの距離も近い。 焦点距離の2倍より近くに物体があると、実像は大きく、レンズからスクリーンまでの距離も遠い。 焦点より内側に物体を置くと実像ができないかわり、レンズを通して物体をみると物体より大きい像が見える。これを虚像という。 虚像は物体より大きい正立の像である。

「光」重要用語

鏡の像虚像屈折角光源光軸実像焦点全反射凸レンズ入射角反射角反射の法則光の屈折光の進み方光の直進光の反射光ファイバー乱反射


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