LastUpDate 2023/09/14

化学反応式と化学変化

原子・分子 化学反応式と化学変化 化学変化と質量

化学反応式

化学変化を化学式で表したものを化学反応式という。

化学反応式の書き方

例1
水素の燃焼・・・水素+酸素→水
化学式・・・水素(H2),酸素(O2),水(H2O)

まず、水素+酸素→水をモデルと化学式で表す 両辺原子の数を数える 左辺のOが2個、右辺が1個なので右辺の水分子を増やす右辺の物質は水なので、酸素原子だけ増やすことはできず、水分子を増やす 今度は右辺のHが4で、左辺が2なので、左辺の水素分子を増やす 両辺の原子数が同じになったので完成
水分子が2個なので化学反応式の右辺、H2Oの前に2をつける 水素分子が2個なので左辺、H2の前に2をつける
OOHHOHHCuO2H2O22H2O原子の数HO2224124

例2
銅の酸化・・・銅+酸素→酸化銅
化学式・・・銅(Cu), 酸素(O2)、酸化銅(CuO)

まず、銅+酸素→酸化銅をモデルで表す
OOHHOHHCuO原子の数CuO1211
原子の数をみると左辺には銅1, 酸素2  右辺には銅1, 酸素1

右辺のほうが酸素1足りないので右辺の物質を増やす。
 原子の数CuO1222
注:右辺の物質は酸化銅なので、酸素が足りなくても酸素だけ増やすことはできない。酸化銅の数を増やさなければならない。

もう一度原子の数をみると今度は銅が1足りないので、左辺の銅を増やす
原子の数CuO2222
これで両辺の原子の数が等しくなったので、モデルを化学式になおす。
2Cu+O2→2CuO

化学反応式をつくるときの注意点

物質を化学式で表す 反応前の物質を左辺に、反応後の物質を右辺に記し、で結ぶ。
→は反応の前後を示すために必要なので=にしてはいけない
反応の前後で、原子の数と種類が等しくなければならない。
(化学変化によって原子は変化したりなくなったりしないから)
化学式の係数は化学式の数を表す。 式の係数は、最も小さな整数にする。
例 4Cu + 2O2 → 4CuO は係数がすべて2で割れるので
2Cu + O2 → 2CuOとなる。

化学反応式の例

酸化銀の分解 2Ag2O → 4Ag + O2 炭酸水素ナトリウムの分解 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O 水の分解 2H2O → 2H2 + O2 塩化銅の分解 CuCl2 → Cu + Cl2 銅の酸化 2Cu + O2 → 2CuO マグネシウムの酸化 2Mg + O2 → 2MgO 炭素の酸化 C + O2 → CO2 水素の燃焼 2H2 + O2 → 2H2O 鉄と硫黄が結びつく反応 Fe + S → FeS 銅と塩素が結びつく反応 Cu + Cl2 → CuCl2 銅と硫黄が結びつく反応 Cu + S → CuS 酸化銅の炭素による還元 2CuO + C → 2Cu + CO2 酸化銅の水素による還元 CuO + H2 → Cu + H2O

要点の確認

答表示カッコに数字を入れて化学反応式を完成させよ。ただし数字を入れる必要のないところは空らんのまま。 酸化銀の分解 2Ag2O → 4Ag + O2 炭酸水素ナトリウムの分解 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O 水の分解 2H2O → 2H2 + O2 塩化銅の分解 CuCl2Cu + Cl2 銅の酸化 2Cu + O22CuO マグネシウムの酸化 2Mg + O22MgO 水素の燃焼 2H2 + O22H2O 酸化銅の炭素による還元 2CuO + C → 2Cu + CO2

さまざまな化学変化

物質どうし結びつく変化

分解の逆で2種類以上の物質が結びついて別の1種類の物質ができる化学変化もある。この化学変化でできる物質を化合物という。

鉄と硫黄の反応

鉄と硫黄が結びついて硫化鉄になる。
鉄+硫黄→硫化鉄
Fe+S→FeS
上の方を加熱する脱脂綿でゆるく栓をする硫黄+鉄
反応が始まってから加熱をやめても、反応によって出た熱により次の反応が起き、それが次々と繰り返されて反応が続く。
鉄と硫化鉄のちがい
鉄・・・灰色、磁石につく、塩酸を加えると水素が発生する。
硫化鉄・・・黒色、磁石につかない、硫酸を加えると硫化水素が発生する

銅と硫黄の反応

銅と硫黄が結びついて硫化銅ができる。
銅+硫黄→硫化銅
Cu+S→CuS

酸化

物質が酸素と結びつく化学変化を酸化という。
燃焼・・・熱や光を出す激しい酸化のこと。
さびる・・・金属などがゆっくり酸化すること。
酸化物・・・酸化によってできた化合物
 金属の酸化物の例
酸化鉄(黒色)、酸化銅(黒色)、酸化マグネシウム(白色)、酸化銀(黒色)
酸化の例
炭素+酸素→二酸化炭素 C+O2→CO2
銅+酸素→酸化銅 2Cu+O2→2CuO
鉄+酸素→酸化鉄 
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム 2Mg+O2→2MgO

還元

酸化物から酸素を取り除く反応を還元という。
例 酸化銅を炭素で還元 酸化銅+炭素二酸化炭素+2CuOC2CuCO2++還元酸化
還元と同時に酸化がおきている。
 銅より炭素のほうが酸素と結びつきやすい。そのため、酸化銅の酸素を炭素が奪い取る。
 これによって酸化銅が還元されて銅になり、炭素は酸化して二酸化炭素になる。

要点の確認

答表示鉄は灰色、硫黄は色、硫化鉄は色である。 鉄に塩酸を加えると水素が発生する。 硫化鉄に硫酸を加えると硫化水素が発生する 物質が酸素と結びつく化学変化のことを酸化という。。 酸化のうち、熱や光を出して激しく反応することを燃焼という。 酸化によってできた化合物が酸化物である。 酸化鉄、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化銀のうち酸化マグネシウムだけが色である。 酸化物から酸素を取り除く反応を還元という。 酸化銅と炭素を混ぜて加熱すると酸化銅の酸素を炭素が奪い取り酸化銅が還元されて銅になり、炭素は酸化して二酸化炭素になる。

化学変化とエネルギー

化学エネルギーとは物質がもともと持っているエネルギーで、化学変化によって熱や光として取り出すことができる。

発熱反応

化学変化のときに熱を発生する。
反応前の物質より、反応後の物質の化学エネルギーのほうが小さいので、その差が主に熱エネルギーとして放出される。
酸化など、ほとんどの化学反応は発熱反応である。

吸熱反応

化学変化のときに外部から熱を吸収する。
反応前の物質より、反応後の物質の化学エネルギーのほうが大きいので、吸収した熱エネルギーが反応後の物質の化学エネルギーとなる。

炭酸水素ナトリウム+クエン酸→二酸化炭素
塩化アンモニウム+水酸化バリウム→アンモニア

要点の確認

答表示化学エネルギーとは物質がもともと持っているエネルギーで、化学変化によって熱や光として取り出すことができる。 化学変化のときに熱を発生する反応を発熱反応という。 発熱反応では反応前の物質より、反応後の物質の化学エネルギーのほうが小さいので、その差が主にエネルギーとして放出される。 化学変化のときに外部から熱を吸収するのが吸熱反応である。 吸熱反応では反応前の物質より、反応後の物質の化学エネルギーのほうが大きいので、吸収した熱エネルギーが反応後の物質の化学エネルギーとなる。

「化学反応式と化学変化」重要用語

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