物質は分子、または原子が集まってできている。
この粒子(分子、原子)の集まり方(状態)が変化して気体、液体、固体となるのが状態変化である。
状態変化では物質そのものは変化しない。
物質をつくっている原子の組み合わせが変化するのが化学変化である。化学変化では全く異なる物質に変化する。
状態変化でも化学変化でも前後で質量の総和は変化しない。
1つの物質が2つ以上の異なる物質に分かれる化学変化を分解という。
加熱して分解する熱分解と、電気を流して分解する
炭酸水素ナトリウムを加熱すると炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分かれる。
(※炭酸水素ナトリウムは重曹のことである。またベーキングパウダーにもふくまれる。)
炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2
試験管Aの内側には小さな水滴がついて白くくもる。
(水であることを確かめるためには塩化コバルト紙・・・青色が赤色に変化)
試験管Bには二酸化炭素がたまる。
(石灰水を入れてふると白くにごる)
実験の注意
試験管Aは口のほうを下げる・・・発生した水が加熱部分にふれて試験管が割れるのを防ぐ。
ガスバーナーの火を消す前にガラス管を水から抜く・・・水が逆流するのを防ぐ。
炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムのちがい
炭酸水素ナトリウム(実験前)・・・白い粉末。水に少し溶ける。弱アルカリ性(フェノールフタレイン溶液がうすい赤色)
炭酸ナトリウム(実験後))・・・白い粉末。みずによく溶ける。強アルカリ性(フェノールフタレイン溶液が濃い赤色)
酸化銀を加熱すると銀と酸素に分かれる。
酸化銀→銀+酸素
2Ag2O→4Ag+O2
酸化銀は黒い粉末。
銀は白い粉末でこすると光る
金属の単体の性質
金属光沢がある。
電気をよく通す
たたいて広げたりのばしたりしやすい
水を電気分解すると水素と酸素に分かれる
水→水素+酸素
2H2O→2H2+O2
水に少量の水酸化ナトリウムをとかした水酸化ナトリウム水溶液に電気を通すと
+極から酸素、−極から水素が発生する。
発生する気体の体積比は 水素:酸素=2:1
※水酸化ナトリウムを加えるのは、純粋な水が電気を通しにくいからである。
塩化銅を電気分解すると銅と塩素に分かれる。
塩化銅→銅+塩素
CuCl2→Cu+Cl2
+極から発生するのは塩素、−極につくのは銅である。
塩化銅は青色で、水溶液も青色だが電気分解が進むと色が薄まる。
銅は赤褐色をしている。
塩素は刺激臭のある黄緑色の気体で、空気より重く、水によく溶ける。漂白作用、殺菌作用があり有毒である
答表示物質をつくっている原子の組み合わせが変化するのが化学変化で、この変化では全く異なる物質に変化する。 状態変化、化学変化ともに変化の前後で質量の総和は変化しない。 水を確かめるためには塩化コバルト紙を使う。水にふれると青色が赤色に変化する。 二酸化炭素を確かめるためには石灰水を使う。二酸化炭素を通すと白く濁る。 1つの物質が2つ以上の異なる物質に分かれる化学変化を分解という。 炭酸水素ナトリウムを加熱すると炭酸ナトリウムと水と二酸化炭素に分かれる。 酸化銀はの色は黒色である。 銀は白色の粉末でこすると光る。 水を電気分解した時に+極に発生するのは酸素で、−極に発生するのは水素である。 純粋な水は電気を通しにくいので少量の水酸化ナトリウム(または硫酸)を加えて電気分解する。 発生する気体の体積比は水素:酸素=2:1である。 塩化銅を電気分解すると+極から発生するのは塩素、−極につくのは銅である。 塩化銅水溶液は青色だが電気分解が進むと色が薄くなる。 塩素は刺激臭のある黄緑色の気体で、空気より重く、水によく溶ける。
ドルトンの原子説
化学変化でそれ以上分けることができない
化学変化で新しくできたり、なくなったり、種類が変化したりしない。
種類によってその質量、大きさが決まっている
物質はすべて原子でできている。ドルトンは原子はそれ以上分割できないと考えたが、現在では原子は原子核と電子で成り立っている構造がわかっている。
現在、約110種類の原子が発見されている。
原子の大きさは1cmの1億分の1程度である。
原子をアルファベットで表した記号を元素記号という。
元素記号は全てアルファベット1文字、または2文字で表される。 1文字の場合アルファベットの大文字のみ、2文字の場合1文字目が大文字で2文字目が小文字である。
Na | Mg | K | Ca | Fe | Cu | Zn | Ag | Ba | Au | Al |
ナトリウム | マグネシウム | カリウム | カルシウム | 鉄 | 銅 | 亜鉛 | 銀 | バリウム | 金 | アルミニウム |
H | He | C | N | O | S | Cl |
水素 | ヘリウム | 炭素 | 窒素 | 酸素 | 硫黄 | 塩素 |
元素を原子番号の順に並べると、性質が周期的に変化する規則性がある。
性質のよく似た元素が縦の列に並ぶように整理した表を周期表という。
19世紀にロシアの科学者メンデレーエフが発見した。
原子は原子核と電子からできている。さらに原子核は中性子と陽子でできている。
原子核内にある陽子の数を表したのが原子番号である。
原子番号は原子内にある電子の数にも等しい。
原子の質量を表す数値である。 炭素原子の質量を12として、これを基準にそれに対する比でそれぞれの原子の質量を表したもの。
いくつかの原子が固く結びついた粒子を分子という。分子はその物質の性質を示す最小の粒子である。
19世紀アボガドロが「気体は2個以上の原子が集まった分子でできている」と提唱した。
(現在では気体だけでなく固体や液体でも分子からできている物質があることが確認されている。)
酸素や水素などの分子は1種類の原子が2つ結びついてできているが、二酸化炭素やアンモニアなど2種類以上の原子が結びついた分子もある。
例1
酸素は酸素原子が2つ結びついて酸素分子になっている。
この酸素分子が集まったものが気体の酸素である。
例2
水は酸素原子1個に水素原子2個が結びついて水分子になり
この水分子が集まったものが水である。
水素や二酸化炭素、水などはいくつかの原子が強く結びついて分子をつくり、その分子が集まって物質ができている。
分子をつくる物質の多くは非金属の原子だけでできている。
それに対し、金属は分子にならず、原子がそのまま直接集まってできている。
分子どうしが集まる力より、原子どうしが結びつく力のほうが強いので、分子を作らない金属などの物質より分子を作る物質のほうが融点や沸点が低く
液体や気体のものが多い。
例
例では鉄の原子が規則正しく集まって固体の鉄になっている
原子1種類でできている物質を単体という。酸素O2や鉄Feは単体である
2種類以上の原子でできている物質を化合物という。水H2は酸素Oと水素Hという2種類の原子からできているので化合物である。
物質を元素記号を用いて表したものを化学式という。
分子を作る物質では化学式が1つの分子を表している。
例
酸素分子は酸素原子2つで
できているのでO2と表す。
水分子は水素原子2つと酸素原子1つで
できているのでH2Oと表す。
分子をつくらない物質の単体は、元素記号がそのまま化学式になる。化合物は結びつく原子の数の比を表す。
例 単体・・・鉄Fe, 銅Cu, 銀Ag, 炭素C
化合物・・・塩化ナトリウム(原子数の比が1:1) NaCl, 塩化銅(原子数の比が1:2) CuCl2
化学式の数字について
下にある小さな数字は直前の原子の数を表す。1は省略なので数字がついていなければその原子は1個である。
よってH2O(水分子)は、H(水素原子)が2つと、O(酸素原子)が1つでできている。
CO2 ←二酸化炭素の分子はC(炭素原子)が1つと、O(酸素原子)が2つでできている。
Na2CO3 ← 炭酸ナトリウムはNaが2つ、Cが1つ、Oが3つでできている。
答表示 物質はすべて原子でできている。 19世紀はじめドルトンはそれ以上分割できない粒子として原子を考え、原子説をとなえた。 原子は現在118種類が発見されている。 原子は種類によってその質量、大きさがきまっている。 原子は化学変化で新しくできたり、なくなったり、種類が変化したりしない。 原子の大きさは1cmの1億分の1程度である。 原子をアルファベットで表した記号を元素記号という。 元素を原子番号の順に並べると、性質が周期的に変化する規則性がある。 性質のよく似た元素が縦の列に並ぶように整理した表を周期表という。 周期表は19世紀にロシアの科学者メンデレーエフが発見した。 原子は原子核と電子からできている。さらに原子核は中性子と陽子でできている。 原子量とは炭素原子の質量を12として,それぞれの原子の質量を表したものである。 いくつかの原子が固く結びついた粒子が分子で、その物質の性質を示す最小の粒子である。 分子は、19世紀アボガドロが「気体は2個以上の原子が集まった分子でできている」と提唱した。 酸素や水素などの分子は1種類の原子が2つ結びついてできている。 二酸化炭素やアンモニアなどの分子は2種類以上の原子が結びついてできている。 分子をつくる物質の多くは非金属の原子だけでできている。 金属は分子にならず、原子がそのまま直接集まってできている。 分子どうしが集まる力より、原子どうしが結びつく力のほうが強いので、分子を作らない金属などの物質より分子を作る物質のほうが融点や沸点が低く 液体や気体のものが多い。 原子1種類でできている物質を単体という。 2種類以上の原子でできている物質を化合物という。 物質を元素記号を用いて表したものを化学式という。
塩化コバルト紙塩化銅塩化銅の電気分解化学式化学変化化合化合物原子原子番号原子量元素記号酸化酸化銀酸化銀の熱分解酸素分子周期表重曹石灰水炭酸水素ナトリウム炭酸水素ナトリウムの熱分解炭酸ナトリウム単体電気分解ドルトン熱分解分解分子分子からできている物質水の電気分解水分子メンデレーエフ