動物は、生きていくために必要なエネルギーのもととなる栄養分を食べることで食物から取り入れている。
食物の多くは他の生物の体や、生物が作り出したものである。
炭水化物や脂肪は主にエネルギー源となり、
タンパク質は体を作る材料やエネルギー源になる。
これらの栄養分以外のビタミンや無機物なども健康を維持するために必要な物質である。
食物に含まれている栄養分はそのままでは分子が大きくて吸収できない。そのため、体に吸収されやすいように小さく分解すること を消化という。
【実験】唾液のはたらき
試験管Aにデンプンのりと唾液、
試験管Bにデンプンのりと水をいれよく振ってまぜ、
約40℃のお湯に5〜10分間いれる。
試験管A,Bの液を別の試験管A',B'に半分ずつわける。
A, Bの試験管にはヨウ素溶液をそれぞれ2,3滴加える
A', B'の試験管にベネジクト溶液をそれぞれ少量加え
軽く振りながら加熱する。
【結果】
ヨウ素溶液に対する反応・・・Aは変化なし、Bは青紫色に変化
ベネジクト溶液に対する反応・・・A'は赤褐色の沈殿、B'は変化なし
実験の結果からだ液のはたらきによってデンプンが麦芽糖などに変化したことがわかる。
ベネジクト溶液
・・・糖を調べる薬品。もとは青色。ブドウ糖や麦芽糖の含まれる水溶液にベネジクト溶液を加えて加熱すると赤褐色や黄色になる。
ヨウ素溶液
・・・デンプンを調べる。もとは茶色。デンプンがあると青紫色になる。
対照実験
・・・デンプンから麦芽糖への変化が唾液のはたらきによるものだと確かめるため、唾液を含まない水を加えて同じ条件で実験を行う。
口から入った食べ物の通り道は口 → 食道 → 胃 → 小腸 → 大腸
とつながる1本の管になっている。
これを消化管という。
消化液は消化酵素を含み栄養分を分解する
唾液(唾液腺)・・・アミラーゼを含みデンプンを糖(麦芽糖)に変える
胃液(胃)・・・ペプシンを含みタンパク質を分解する
すい液(すい臓でつくられ小腸から分泌)・・・アミラーゼ、トリプシン、リパーゼなど複数の消化酵素が含まれ、デンプン、タンパク質、脂肪を分解する。
胆汁(肝臓でつくられ胆のうにためられ小腸から分泌)・・・消化酵素を含んでいない。脂肪を小さな粒にして脂肪の分解を助ける
小腸の壁の酵素・・・数種類の酵素で完全に消化する。
消化液に含まれる消化酵素は、栄養分を分解する触媒のはたらきをする。
消化酵素の特徴
少量でたくさん分解できる。
体温に近い温度ではたらく。
分解する物質が決まっている。
おもな消化酵素
アミラーゼ
デンプンを分解、唾液、すい液に含まれる
ペプシン
タンパク質を分解、胃液に含まれる
トリプシン
タンパク質を分解、すい液に含まれる
リパーゼ
脂肪を分解。すい液に含まれる
栄養分は消化管を通る間に消化酵素などのはたらきで分解される。
デンプン・・・> ブドウ糖
デンプンは唾液中のアミラーゼ、すい液中のアミラーゼ、小腸の壁にある消化酵素の働きで最終的にブドウ糖に分解される。
タンパク質・・・> アミノ酸
タンパク質は胃液中のペプシン、すい液中のトリプシン、小腸の壁にある消化酵素の働きで最終的にアミノ酸に分解される。
脂肪・・・> 脂肪酸とモノグリセリド
脂肪は胆汁のはたらきで水に混ざりやすくなり、すい液中の働きで脂肪酸とモノグリセリドに分解される。
消化された栄養分は小腸で吸収される。
小腸の壁にはたくさんのひだがあり、そのひだの表面に柔毛という小さな突起がたくさんある。
※小さな柔毛がたくさんあることで表面積が大きくなり、栄養分を吸収しやすくなっている。
小腸の壁の柔毛
アミノ酸、ブドウ糖・・・毛細血管に吸収され肝臓へ運ばれ、全身に送られたり、別の物質に変えられたり、たくわえられたりする。
脂肪酸、モノグリセリド・・・柔毛から吸収されたあと脂肪に戻ってリンパ管へ
口・・・食物を噛み砕く。唾液を分泌する
胃・・・収縮をくりかえし食物を細かくつぶし、胃液を分泌する。胃液には消化酵素のほか塩酸も含まれる。
小腸・・・すい液、胆汁、小腸の壁の酵素で消化。柔毛から吸収。
大腸・・・小腸で吸収しきれなかった水分を吸収。
すい臓・・・すい液をつくる。
肝臓・・・胆汁をつくる。栄養分を貯えたり、他の物質に変えたり、全身に送ったりする。有害なものを無害にする。アンモニアを尿素にするなど
胆のう・・・胆汁をたくわえる。
草食動物・・・草を切る門歯、草をすりつぶす臼歯が発達している。
肉食動物・・・獲物をしとめるための犬歯が発達している。
また、消化管の長さは肉食動物より草食動物のほうが長い。
答表示 動物は、生きていくために必要なエネルギーのもととなる栄養分を食物から取り入れている。 栄養分のうち炭水化物や脂肪は主にエネルギー源となり、 タンパク質は体を作る材料になったりエネルギー源になったりする。 食物に含まれている栄養分を体に吸収されやすいように小さく分解すること を消化という。 ベネジクト溶液は糖を調べる薬品で、もとは青色。ブドウ糖や麦芽糖の含まれる水溶液にベネジクト溶液を加えて加熱すると赤褐色や黄色になる。 ヨウ素溶液はデンプンを調べる薬品で、もとは茶色。デンプンがあると青紫色になる。 デンプンから麦芽糖への変化が唾液のはたらきによるものだと確かめるため、唾液を含まない水を加えて同じ条件で実験を行う。このような実験を対照実験という。 口から入った食べ物の通り道は口 → 食道 → 胃 → 小腸 → 大腸 とつながる1本の管になっている。これを消化管という。 消化液は消化酵素を含み栄養分を分解する 消化液のうち胆汁は消化酵素を含んでいない。脂肪を小さな粒にして分解を助ける 消化酵素の特徴は、少量でたくさん分解できる。体温に近い温度ではたらく。分解する物質が決まっている。 アミラーゼはデンプンを分解する消化酵素で、唾液、すい液に含まれる ペプシンはタンパク質を分解する消化酵素で、胃液に含まれる トリプシンはタンパク質を分解する消化酵素で、すい液に含まれる リパーゼは脂肪を分解する消化酵素ですい液に含まれる デンプンは最終的にブドウ糖に分解される。 タンパク質は最終的にアミノ酸に分解される。 脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解される。 小腸の壁にはたくさんのひだがあり、そのひだの表面にある柔毛という小さな突起から分解された栄養分を吸収する。 アミノ酸、ブドウ糖は柔毛の毛細血管に吸収され肝臓へ運ばれ、全身に送られたり、別の物質に変えられたり、たくわえられたりする。 脂肪酸、モノグリセリドは柔毛から吸収されたあと脂肪に戻ってリンパ管へ入る。 消化管の長さは肉食動物より草食動物のほうが長い。
細胞呼吸に必要な酸素は肺から取り入れ、細胞呼吸で出た不要な二酸化炭素は肺から放出される。これを肺呼吸という。
鼻や口から吸い込まれた空気は、気管を通って肺に入る、気管は肺の中で枝分かれして気管支となりその先に肺胞という
小さな袋がたくさんついている。
肺胞のまわりは毛細血管が網の目のように取り囲んでおり、肺胞内に入った空気中の酸素が毛細血管の血液に取り込まれる。
一方、血液中の二酸化炭素は肺胞内に出され気管を通って鼻や口から体外へ出される。
小さな肺胞がたくさんあるため空気にふれる表面積が大きくなり、効率よく酸素と二酸化炭素の交換が行われる。
肺には筋肉が無いため自ら膨らんだり、縮んだりできない。
そのため、横隔膜が下がり、ろっ骨の間の筋肉によってろっ骨が引き上げられて、胸こうの体積が大きくなって
肺の中に空気が吸い込まれる。
答表示 動物では細胞呼吸に必要な栄養分は小腸で吸収され肝臓から血液で全身の細胞に送られる。 酸素は肺で吸収されて血液によって全身の細胞に送られる。 細胞呼吸で発生した二酸化炭素や不要物も血液によって運ばれ、二酸化炭素は肺から体外へ放出される。 細胞呼吸に必要な酸素は肺から取り入れ、細胞呼吸で出た不要な二酸化炭素は肺から放出される。これを肺呼吸という。 鼻や口から吸い込まれた空気は、気管を通って肺に入る。 気管は肺の中で枝分かれして気管支となりその先に肺胞という小さな袋がたくさんついている。 肺胞のまわりは毛細血管が網の目のように取り囲んでおり、肺胞内に入った空気中の酸素が血液に取り込まれる。 血液中の二酸化炭素は肺胞内に出され気管を通って鼻や口から体外へ出される。 肺には筋肉が無いため、横隔膜とろっ骨の間の筋肉によって胸こうの体積を大小させて空気をと入りれたり押し出したりする。
アミラーゼ胃胃液栄養分横隔膜肝臓器官臼歯筋肉血液犬歯呼吸呼吸運動細胞細胞呼吸脂肪脂肪酸柔毛消化消化液消化管消化酵素小腸触媒すい液すい臓草食動物対照実験大腸唾液胆汁炭水化物胆のうタンパク質トリプシン肉食動物尿素肺肺胞麦芽糖鼻ブドウ糖ベネジクト溶液ペプシン目毛細血管モノグリセリド門歯リパーゼリンパ管