葉脈
葉にあるすじのことを葉脈という。葉脈は葉を通る維管束である、うすい葉をしっかり広げるのにも役立っている。
植物の種類によって平行脈と網状脈がある。
平行脈・・・葉脈が平行に並んでいる
網状脈・・・葉脈が網の目になっている
葉の断面
葉脈は、葉の表に近いほうに道管、裏に近い方には師管がある。
細胞・・・小さな部屋のようなつくり。植物の体はすべて細胞からできている。
気孔・・・三日月形の細胞(孔辺細胞)に囲まれた小さな穴。気体が出入りする。葉の裏側に多くある。
葉緑体・・・細胞の内部にある小さな緑色の粒。光合成を行う(表皮の細胞には葉緑体はない)
蒸散・・・植物の体から水が水蒸気として出て行くこと
蒸散は気孔で行われる。
蒸散を行うの最も大きな理由・・・蒸散をさかんに行うことで根からの水の吸い上げがさかんになる。つまり蒸散は根から水を吸い上げるための原動力になっている。
【実験】蒸散
葉の枚数や大きさがほぼ同じ枝を2本用意する。
Aの葉は表に、Bの葉は裏にそれぞれワセリンをぬる。
水を入れた試験管にそれぞれの枝をさし、水面を油でおおう。
全体の重さをそれぞれ電子てんびんで測定する。
明るく風通しのよい所にしばらく置く
ふたたび重さを測定して水の減少量を計算する。
【結果】
葉の表にワセリンをぬったAのほうが水の減少量が多い。
Aは葉の裏と茎から、Bは葉の表と茎から蒸散する。
Aのほうが水の減少量が多かったことから、
気孔は葉の表より裏に多くあるとわかる。
ワセリン
蒸散を防ぐはたらきがある。
水面を油でおおうのは
水面からの水の蒸発を防ぐためである。
明るく風通しのよいところに置くのは
蒸散がさかんに行われるようにするためである。
光合成・・・植物が光を受けてデンプンなど栄養分をつくるはたらき
植物は、葉緑体で光のエネルギーを用いて、原料である水と二酸化炭素から栄養分(デンプンなど)をつくっている。
そのとき同時に酸素ができる。
葉は日光を受けやすいようなつき方をしている。
光合成に必要なもの
材料・・・二酸化炭素・水
エネルギー・・・光
場所・・・葉緑体
光合成によってできるもの
栄養分(デンプン)、酸素
【実験】光合成
一昼夜、日光を当てずにおいた斑入りの葉の一部をアルミニウムはくでおおい、日光をじゅうぶんに当てる。
アルミニウムはくをはずした葉を熱湯につけたあと、あたためたエタノールにつけて脱色し水で洗う。
葉をヨウ素液にひたし、色の変化を見る。
【結果】日光に当たった葉の緑色の部分が青紫色になる。
日光の当たった緑色の部分が青紫色になり、日光の当たらない緑色の部分の色は変化しないことから
光合成には光が必要だとわかる
日光の当たった緑色の部分が青紫色になり、日光の当たった斑の部分は色が変化しないことから
光合成には葉緑体が必要だとわかる
一昼夜、日光を当てないのは
葉のデンプンをなくすためである。
ヨウ素液
茶色の液体で、デンプンに加えると青紫色になる。
エタノール
引火しやすいので直接火にかけてはいけない。
葉をエタノールにつけるのは
脱色し緑色を抜き、ヨウ素液の色の変化を見やすくするためである。
呼吸・・・生物が細胞で栄養分を酸素によって分解し生きるために必要なエネルギーを作り出すこと。
そのとき二酸化炭素が排出される。
植物も呼吸をおこなっている。そして呼吸は一日中おこなわれる。
日中、光が当たるとき
光合成と呼吸の両方を行う。このときは光合成で作られる酸素のほうが、呼吸で使う酸素より多いので
二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出す。
夜など光が当たらないとき
光合成をせず、呼吸だけ行うので酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出す。
【実験】呼吸
植物の葉をポリエチレンの袋に入れる。A,Bには植物の葉をいれ、Cは空気だけ入れる、
Aは明るいところに、BとCは暗い所に2,3時間置く。
A,B,C3つのポリエチレンの袋の中の空気を、それぞれ石灰水に通して変化を比べる。
【結果】
A変化なし。 B白くにごる。 C変化なし。
Bだけに二酸化炭素がある。
暗い場所に置いた植物の葉は、二酸化炭素を出す。
石灰水
二酸化炭素を石灰水に通すと白くにごる。
対照実験
Cの袋は植物の葉を入れずに空気だけを入れ、その他の条件を同じにして実験を行う。
これで実験の結果が植物の葉のはたらきだと明らかにできる。
このような実験を対照実験という。
答表示 植物の体から水が水蒸気として出て行くことを蒸散という。 蒸散は気孔で行われる。 蒸散は根から水を吸い上げるための原動力になっている。 気孔は葉の表より裏に多くあるとわかる。 植物が光を受けてデンプンなど栄養分をつくるはたらきが光合成である。 光合成は、葉緑体で行われる 光合成では二酸化炭素と水を材料として使う。 光合成によってデンプンなどの栄養分と酸素ができる。 光合成の実験で、一昼夜、日光を当てないのは葉のデンプンをなくすためである。 ヨウ素液は、茶色の液体で、デンプンに加えると青紫色になる。 光合成の実験で、葉をエタノールにつけるのは脱色して、ヨウ素液の色の変化を見やすくするためである。 生物が細胞で栄養分を酸素によって分解し生きるために必要なエネルギーを作り出すことを呼吸という。 植物の呼吸は一日中おこなわれる。 日中、光が当たるときは、光合成と呼吸の両方を行うが、光合成で作られる酸素のほうが、呼吸で使う酸素より多いので 二酸化炭素を吸収して酸素を吐き出す。 夜など光が当たらないときは光合成をせず、呼吸だけ行うので酸素を吸収して二酸化炭素を吐き出す。
ひげ根
ツユクサ、イネ、ユリなどの単子葉類の根は太い根がなく、たくさんの細い根が広がっている。このような根をひげ根という。
主根と側根
タンポポ、アブラナ、エンドウなど双子葉類では太い根を伸ばし、それから枝分かれして細い根が枝分かれしている。
この太い根を主根、細い根を側根という。
根毛
根の先端近くにある綿毛のような細かい根のことを根毛という。
根毛は土の粒の間に入り込んで根が土から抜けにくくしている。さらに根と土がふれる面積が大きくなることで
水や、水に溶けた養分(肥料分)を吸収しやすくなっている。
根のはたらき
①根はその表面から水や水に溶けた養分(肥料分)を吸収することが主なはたらきである。
②根が土の中に深くのびてはりめぐらされることで植物の地上部を支えるはたらきもある。
道管
根から吸収した水が通る管を道管という。
根から吸収した水の中には、必要な養分(肥料分)が溶けている。
師管
葉で光合成によって作られた栄養分が通る管を師管という。
光合成で作られるデンプンは水に溶けないので、水に溶けやすい糖(ショ糖)に変化して師管を通る。
維管束
道管と師管が集まって束のようになっている組織を維管束という。
維管束は根、茎、葉とつながって植物のからだのすみずみにいきわたり、植物が生きていくために必要な物質を運ぶはたらきをしている。
茎の維管束は中心に近い内側に道管、外側に師管がある。
維管束の並び方
ホウセンカやヒマワリなど双子葉類の維管束は周辺部に輪のように並んでいる。
トウモロコシやイネなど単子葉類の維管束は全体にちらばっている。
双子葉類
輪になっている
単子葉類
散らばっている
茎のはたらき
① 植物の体を支える。
②根から吸収された水や、光合成で作られた栄養分などの通り道となる。
【観察】茎のつくり
着色した水に植物をさしておく。
カッターナイフで茎を輪切りや縦切りにし、
水を入れたペトリ皿に入れておく。
双眼実体顕微鏡で切った茎を観察する。
【結果】
水の通り道(道管)が赤く染まった。
赤く染まった部分は、
ホウセンカは輪のように並び、
トウモロコシはばらばらに散らばっている。
答表示 ツユクサ、イネ、ユリなどの単子葉類の根は太い根がなく、たくさんの細い根が広がっている。このような根をひげ根という。 タンポポ、アブラナ、エンドウなど双子葉類では太い根を伸ばし、それから枝分かれして細い根が枝分かれしている。 この太い根を主根、細い根を側根という。 根の先端近くにある綿毛のような細かい根のことを根毛という。 根毛細かくてたくさんあるので、表面積が大きくなり、土の中の水分などを吸収しやすい。さらに土の粒の間に入り込んで根が土から抜けにくくしている。 根から吸収した水が通る管を道管という。 葉で光合成によって作られた栄養分が通る管を師管という。 光合成で作られるデンプンは水に溶けないので、水に溶けやすい糖(ショ糖)に変化して師管を通る。 道管と師管が集まって束のようになっている組織を維管束という。 茎の維管束は中心に近い内側に道管、外側に師管がある。 双子葉類の維管束は周辺部に輪のように並んでいる。 単子葉類の維管束は全体にちらばっている。
茎には地下で生活するようなものもあり、地下茎という。
ジャガイモやハスなど根に似ているが茎である。
地下茎は養分を蓄えたり、繁殖の役割をするものが多い。
道管を含む木部と、師管を含む師部の間に
あるのが形成層である。
木本植物では茎は木質化し、
形成層はさかんに細胞分裂を行い、
年輪をつくって年とともに太くなっていく。
単子葉類では形成層はない。
→木本植物と草本植物
維管束栄養分気孔光合成呼吸根毛細胞師管蒸散組織対照実験道管目ヨウ素液葉緑体