LastUpDate 2023/09/27

電流の性質

電流電圧 電流の性質 電流の正体 磁界

電流と電圧の関係

オームの法則

電気抵抗

電流の流れにくさを表す量を電気抵抗という。単位はΩ(オーム) 電気抵抗は物質の種類によって異なる。

オームの法則とは

抵抗器や電熱線を流れる電流は、加えた電圧に比例する。この関係をオームの法則という。
オームの法則
電圧(V) = 電流(A) × 電気抵抗(Ω)


オームの法則の覚え方


次のような図を使うと覚えやすい。
電流を出したいとき、Aを押さえると 電流(A) = 電圧(V)抵抗(Ω)
電圧を出したいとき、Vを押さえると 電圧(V) = 電流(A) × 抵抗(Ω)
抵抗を出したいとき、Ωを押さえると 抵抗(Ω) = 電圧(V)電流(A)
× A V Ω 電流(A) = 電圧(V)抵抗(Ω) 電圧(V) = 電流(A) × 抵抗(Ω) 抵抗(Ω) = 電圧(V)電流(A)

オームの法則の使い方

抵抗が1つ

抵抗が1つのときはオームの法則の公式にあてはめて計算する。
ただし、電流がmAのときは Aに直さなければならない。1000mA = 1A
【例】
(1)電圧を求める
AIAEV 公式から 電圧 = 電流×抵抗なので
電圧 = 0.3 × 10 = 3.0
答 3.0V


(2) 電流を求める
AIAEV 公式から 電流 = 電圧抵抗なので
電流 = 36 = 0.5
答 0.5A


(3) 抵抗を求める。
AIAEV 電流100mAは0.1Aとして計算する。
公式から 抵抗 = 電圧電流なので
抵抗 = 1.50.1 = 15
答15Ω
【確認】
(1)電圧を求めよ。
AIAEV

(2)電流を求めよ。
AIAEV

(3)抵抗を求めよ。
AIAEV

直列回路の計算問題

直列回路では電流はどこも等しく、電圧は和になる。
IAIAIA電源抵抗2抵抗1 V 直列回路は枝分かれしないので、電流はどの部分でもすべて同じ値である。
電圧は、抵抗1にかかる電圧と抵抗2にかかる電圧の和が電源電圧になる。

問題では各抵抗にかかる電圧と、電流をひとつひとつすべて出していくとよい。 【例1】
電源電圧、抵抗2の抵抗値を求める。
IAIAIA電源抵抗2抵抗1 V 抵抗1、抵抗2のそれぞれに流れる電流、かかる電圧を求める。
直列回路は電流がどこも等しいので、抵抗1、抵抗2ともに0.5A
すると抵抗1は2Ωで0.5Aなのでオームの法則から、
電圧が 2×0.5 = 1Vとわかる。
また抵抗2は電圧2V,0.5Aなのでオームの法則から、
抵抗が2÷0.5 = 4Ωとわかる。
電源電圧は各抵抗にかかる電圧の和なので 1+2=3Vとなる。


【例2】
抵抗2の抵抗値を求める。
IAIAIA電源抵抗2抵抗1 V 抵抗1、抵抗2のそれぞれに流れる電流、かかる電圧を求める。
直列の電圧は和になるので、電源電圧6Vで、抵抗2に2V
かかっているので抵抗1には4Vがかかる。
抵抗1は8Ωで4Vなのでオームの法則から
電流が4÷8 = 0.5Aとなる。
直列は電流が等しいので抵抗2も0.5A
すると抵抗2は2Vで0.5Aなのでオームの法則から
抵抗は 2÷0.5 =4Ω
【確認】
(1) xの値を求めよ。
IAIAIA電源抵抗2抵抗1 V
x=
(2) xの値を求めよ。
IAIAIA電源抵抗2抵抗1 V
x=

並列回路の計算問題

抵抗が並列つなぎでつながっていると加わる電圧が等しい。
そのため図のような並列回路では各抵抗にかかる電圧は
電源電圧と等しくなる

枝分かれする回路では、電流は各枝に別れて流れるので
別れた後の電流の和が、別れる前の電流と等しくなる
図の場合、I1+I2=Iとなる。
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2
【例1】
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2 抵抗1の抵抗値を求める。
枝分かれ前の電流が2Aで、片方の枝が0.5Aなので
もう一方の枝に流れる電流は 2-0.5 =1.5A
この1.5Aは10Ωの抵抗2に流れるのでこの抵抗2にかかる電圧は
オームの法則より 1.5×10=15V
並列つなぎでは電圧が等しいので抵抗1にかかる電圧も15Vである。
抵抗1には0.5Aが流れているので
オームの法則より15÷0.5=30Ω
【確認】
(1) xの値を求めよ。
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2
x=
(2) xの値を求めよ。
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2
x=

直列、並列の合成抵抗

直列につないだ抵抗の合成抵抗は各抵抗の和になる。
直列の合成抵抗
R = R1 + R2 + ・・・

並列につないだとき、各抵抗の逆数の和が合成抵抗の逆数になる。
並列の合成抵抗
1R = 1R1 + 1R2 + ・・・

≫ 並列の合成抵抗

【例1】
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2 電源電圧を求める。
並列の合成抵抗は、各抵抗の逆数の和が合成抵抗の逆数なので
130+ 110 = 430
合成抵抗は 304 = 7.5Ω
全体抵抗が7.5Ωで、枝分かれ前の電流が0.8Aなので、オームの法則から
電源電圧は 0.8×7.5 =6V

【確認】
(1) xの値を求めよ。
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2
x=
(2) xの値を求めよ。
I1AI2AIA電源抵抗1抵抗2
x=

要点の確認

答表示電流の流れにくさを表す量を電気抵抗といい、物質の種類によって異なる。 電気抵抗の単位はΩ(オーム)である。 抵抗器や電熱線を流れる電流は、加えた電圧に比例する。この関係をオームの法則という。 直列回路では電流はどこも等しく、電圧は各抵抗にかかる電圧のになる。 並列回路では各抵抗にかかる電圧は電源電圧と等しくなる。 枝分かれする回路では、別れた後の電流の和が、別れる前の電流と等しくなる。 直列につないだ抵抗の合成抵抗は各抵抗の和になる。 並列につないだとき、各抵抗の逆数の和が合成抵抗の逆数になる。

電気エネルギー

電流が流れることで、電球や蛍光灯は光を出し、モーターが動き、電熱線は熱を出す。 電流が持つこのような能力を電気エネルギーという。

電力

1秒間に発生するエネルギーの量電力といい、単位はW(ワット)を用いる。
W(ワット)が大きいほど、電球は明るく、電熱線が発生させる熱は大きくなる。
電力は電流と電圧の積で求められる。
電力(W)=電流(A)×電圧(V)

例題1
A20Ω6V 電力を求める。
まずはじめに電流を求める。電流をxAとしてオームの法則から6=20x, x=0.3
電流0.3A, 電圧6Vより電力=0.3×6=1.8 答1.8W

次に抵抗は変えず、電源電圧を12Vにした時の電力を求める
電流は12=20xよりx=0.6、電流0.6A, 電圧12Vから 電力=0.6×12=7.2 答7.2W

電源電圧を2倍にすると消費電力は4倍になる 例題2 A10Ω20Ω6Vab それぞれの抵抗の消費電力を求める。
直列なので全体抵抗は各抵抗の和になり、電流は等しい。
全体抵抗10+20=30、電源電圧6Vなので、電流は6÷30=0.2A
a・・・10Ω、0.2Aから電圧は10×0.2=2V、電力は2×0.2=0.4W
b・・・20Ω、0.2Aから電圧は20×0.2=4V、電力は4×0.2=0.8Wとなる。

直列では抵抗の大きいほうが消費電力が大きい 例題3 10Ω20Ω6Vcd それぞれの抵抗の消費電力を求める。
並列では、抵抗にかかる電圧が等しいのでそれぞれ6V
c・・・6V, 10Ωより6÷10=0.6A, 電力は6×0.6=3.6W
d・・・6V, 20Ωより6÷20=0.3A, 電力は6×0.3=1.8Wとなる。

並列では抵抗の小さいほうが消費電力が大きい

熱量

電熱線は電気エネルギーを熱エネルギーに変える。
電熱線から発生する熱エネルギーの量を熱量といい、単位はJ(ジュール)である。
電熱線から発生する熱量は電力と時間に比例する

熱量(J)=電力(w)×時間(秒)

また、電熱線を水の中に入れて水の温度を上昇させる場合
水温の上昇は加えた熱量に比例する
※熱量にはcal(カロリー)という単位もある。
1calは水1gを1℃上昇させる熱量で、1cal=約4.2Jである。

例題4
図のような装置で容器に100gの水を入れ、10Ωの電熱線を用い、
電源電圧5Vで5分間電流を流して温度変化をはかると
水の温度が1.8℃上昇した。電熱線から発生した熱量は
すべて水の温度上昇に使われるとして次の問いに答えよ。
//グラデーション電源装置 発熱量は電力に比例する。・・・必ず電力(W)を出す 電源電圧を10Vにして、他の条件を同じ(水100g, 時間5分間, 抵抗10Ω)
にすると水温は何度上昇するか。
はじめの条件10Ω5Vのとき、5÷10=0.5A、5×0.5=2.5W
これを10Ω10Vにすると、10÷10=1A, 10×1=10W
電力が4倍になるので温度上昇も4倍 1.8×4=7.2  答7.2℃上昇
電熱線を5Ωのものに変えて、他の条件を同じ(水100g, 時間5分間, 電圧5V)
にすると水温は何度上昇するか。
5Ω5Vのとき 5÷5=1A, 5×1=5W
はじめの条件では2.5Wだったので電力は2倍
1.8×2=3.6  答3.6℃
この装置で、抵抗のわからない電熱線を使い、水100g, 時間5分間、電圧5Vで
実験すると水温が 9.0℃上昇した。この時に使った電熱線の抵抗を求めよ。
電力をxとする。はじめの条件の2.5W, 1.8℃と比べると
2.5:x=1.8:9
1.8x=22.5
x=12.5
12.5Wで5Vなので12.5÷5=2.5A
2.5Aで5Vなので5÷2.5=2 答2Ω

電力量

電熱線は電気エネルギーを熱量に変えたが、モーターは電気エネルギーを運動に変える。
このように発熱を利用しないものでも電気エネルギーは消費される。
一定時間電流が流れたときに消費された電気エネルギーの総量を電力量という。
電力量は熱量と同じ式で求められ、単位もJ(ジュール)を使う。
電力量(J) = 電力(w) × 時間(秒)
電力量の単位にはWh(ワット時)や、kWh(キロワット時)が使われることもある。
1Whは 1Wの電力を1時間使い続けたときの電力量であり、1kWhはその1000倍である。
 ※ 1時間 = 3600秒なので、 1Wh = 1W × 3600s = 3600 J

要点の確認

答表示 電流が流れることで、電球や蛍光灯は光を出し、モーターが動き、電熱線は熱を出す。 電流が持つこのような能力を電気エネルギーという。 1秒間に発生するエネルギーの量を電力といい、単位はW(ワット)を用いる。 電力が大きいほど、電球は明るく、電熱線が発生させる熱は大きくなる。 電力を求める式 電力(W)=電流(A)×電圧(V) 電熱線は電気エネルギーを熱エネルギーに変える。電熱線から発生する熱エネルギーの量を熱量といい、単位はJ(ジュール)である。 電熱線から発生する熱量は電力時間に比例する また、電熱線を水の中に入れて水の温度を上昇させる場合水温の上昇は加えた熱量に比例する 熱量にはcal(カロリー)という単位もある。1calは水1gを1℃上昇させる熱量で、1cal= 約4.2Jである。 一定時間電流が流れたときに消費された電気エネルギーの総量を電力量という。 電力量を求める式 電力量(J) = 電力(w) × 時間(秒) 1Whは 1Wの電力を1時間使い続けたときの電力量であり、1kWhはその1000倍である。 1Wh = 3600 J である。

「電流の性質」重要用語

オームオームの法則回路カロリー蛍光灯合成抵抗ジュール全体抵抗直列回路電圧電気エネルギー電気抵抗電源電流電力電力量熱量並列回路モーターワット


電流電圧 電流の性質 電流の正体 磁界

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